【僕の戦争/神聖かまってちゃん】歌詞の意味を考察、解釈する。

神聖かまってちゃんが2021年2月22日にリリースした「僕の戦争」は、人気TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season』のオープニング曲です。

この曲は、耳に残るメロディと重厚な歌詞が特徴で、その暗くて印象的な意味について考察していきます。

この戦いへの強い執念

神聖かまってちゃんの「僕の戦争」は、2020年12月6日から放送中のテレビアニメ『進撃の巨人 The Final Season』のオープニングテーマとして起用されています。

この曲は、神聖かまってちゃんにとっては『進撃の巨人』との2曲目のコラボレーションとなります。

制作側からのリクエストでは、”映画音楽のように壮大で、神聖かまってちゃんらしい曲”を求められたそうです。

その要望に応える形で、壮大で不気味で怖い雰囲気を持ち、ボーカルの特徴的な聖歌隊が使用された楽曲が生み出されました。

この楽曲は、世界中のファンを魅了しています。

ジャケットのモノクロイラストは、教室で機関銃を持つ女子生徒を描いたもので、原作者である諫山創が手掛けました。

初見ではアニメとは関連のないデザインに見えるかもしれませんが、歌詞を読み解くと、アニメの物語や内容を忠実に反映しつつ、重要なメッセージが込められていることが伝わってきます。

歌詞には英語と日本語が混在しており、その解釈と和訳を通じて、意味を詳しく考察していきます。

Let’s start a new life from the darkness
Until the light reveals the end
Fear, hatred, sorrow, desperation
Even you look miserable
Look down from above
I feel awful
The time has come
Let’s all go home
Sinister faces, growing curses
This is my last war

「Let’s start a new life from the darkness Until the light reveals the end」—これが冒頭の歌詞で、重い雰囲気が漂いますね。

この部分は、主人公エレンが巨人として世界を終わらせようとする姿とリンクしています。

その後に続く歌詞には、「Fear, hatred, sorrow, desperation」といった否定的な言葉が並びます。

これらの言葉は、まさに「闇の中」という混沌とした状況を表現しています。

では、「Even you look miserable Look down from above I feel awful」は、誰を指しているのでしょうか?

「あなたも惨めに見える」という文言から、通常は惨めに見えない、つまり自身よりも力や立場が強いと思われる相手を指していると考えられます。

そしてそのような相手を見下すと、自分が小さく、怯えていることに気づき、「最悪な気分」になるという意味だと解釈できます。

次に出てくる「The time has come Let’s all go home」の呼びかけは、戦争とは異なるように感じますが、ここでの「家」は心身を休める場所を指しています。

これは、混沌とした世界を終わらせて、安らげる場所に変えようという意志を表しています。

その後の「Sinister faces, growing curses」では、敵の邪悪な顔が憎しみを増幅させているようですね。

そして最後の「This is my last war」からは、主人公のこの戦いへの強い執念が感じられます。

敵は人間自身である

The only memory left is trauma
Imaginary friend’s kind words
The evening train was shaking
I purified the imperfect flowers
The pain in my heart getting higher
My comedy show at its peak
The frogs were crying on our way home
This is my last war

2番の冒頭では、「The only memory left is trauma」と歌われ、厳しい状況にあることを暗示しています。

「Imaginary friend’s kind words」という表現から、孤独を抱えた幼少期を想像させます。

さりげない「The evening train was shaking」という言葉でも、悲しい雰囲気が伝わってきます。

「I purified the imperfect flowers」というフレーズからは、咲きかけの花を故意に摘んだことへの罪悪感を感じる様子が窺えます。

幼少期特有の衝動的な行動と同時に、純粋な優しさも表現されています。

次の部分、「My comedy show at its peak The frogs were crying on our way home」は「僕のコメディショーは山場を迎え カエルは家路で鳴いていた」と翻訳されます。

「This is my last war」と述べながら、それをコメディと表現することで、自身にとっては深刻な戦いでも周囲からは滑稽に見えることを示しているかもしれません。

Angels playing disguised with devil’s faces
Children cling to their coins squeezing out their wisdom
Angels planning disguised with devil’s faces
Children cling on to their very last coins
Destruction and regeneration
You are the real enemy

この歌詞は1番と2番で同様のテーマを掘り下げています。

最初に「Angels playing disguised with devil’s faces」と歌い、天使として知られる存在が、悪魔のような顔で遊ぶ姿を描写しています。

その周囲には「Children cling to their coins squeezing out their wisdom」という光景が広がっています。

子供たちが貴重な硬貨にしがみつく姿は、その硬貨が彼らにとって希望の象徴であり、何とかして希望を手にしようとしていることを示唆しています。

次に登場するのは「Angels planning disguised with devil’s faces」というフレーズで、天使たちが何かを企んでいる様子が描かれています。

一方で、「Children cling on to their very last coins」という表現では、子供たちが残されたわずかな希望に必死にしがみついている姿が描写されています。

ここまでの内容から、楽しく遊ぶ天使と、生き抜くために必死になる人間の子供たちの比較が描かれていることが感じられるはずです。

しかし、続く歌詞では「Destruction and regeneration You are the real enemy」と歌われます。

これは人間がこれまでに繰り返してきた崩壊と再生のサイクルを指しています。

人間は過去に多くの戦争や紛争で街を破壊し、そしてその手で破壊された場所を再建してきました。

こうした過程で、希望を奪われた人々のそばには、戦争や傷つけ合うことで楽しむ人々が存在しています。

言い換えれば、最終的に敵は人間自身であるというメッセージが込められているように思われます。

いじめという「戦争」と向き合う

帰り道を無くした風景
夕焼けこやけ逆さまに
下校時間 鳴きだすチャイムと
だんだんと落っこちてゆく
帰り道を終わらせないって
泣いていいよ今だけは
線路沿いに消えちゃった菜の花
来年また咲いてなんて

3番では日本語の歌詞が使われ、少女のような声で歌われており、ジャケットイラストに描かれた少女が主人公であることがわかります。

「帰り道を無くした風景」や「鳴り出すチャイム」、「落っこちてゆく」というフレーズは、彼女の帰り道が楽しいものではないことを表現しています。

「泣いていいよ今だけは」と自分に言い聞かせていることから、彼女が泣きたくなるような出来事があり、下校中に必死に涙をこらえている様子が浮かんできます。

彼女がいじめを受けている可能性も考えられますね。

そして、華やかな黄色い花を咲かせる菜の花が見えなくなると、帰り道に寂しさが一層募ります。

2番で花が登場したことと結びつけると、もしかしたら彼女が以前手折った花が今元気に咲いているのかもしれません。

「来年また咲いて」と願うのは、一度折られた花に自分を重ねているからだと感じられます。

下校時間 他人の影踏み
気づいたら夜明け 1人きり
1人きりを終わらせないって
泣いていいよ今だけは
明日の準備がどうせまたあるし
宿題やって寝なくちゃね

彼女は別の日もつらい気持ちを抱えて下校しています。

歌詞には「気づいたら夜明け 1人きり」とあり、家族に相談することなく孤独な状況にいるようです。

それでも、普段通りに「明日の準備」と「宿題」をこなしています。

彼女はいじめから逃げるのではなく、その現実を受け入れて前に進もうとしているようです。

これが彼女がいじめという「戦争」と向き合うやり方なのです。

最後の歌詞を見ると、実は1番から彼女の感情が述べられていたことに気づくでしょう。

大人たちには天使のように見えても、少女にとっては悪魔のような顔をした幼い敵たち。

そのような邪悪な天使たちから攻撃され、「闇の中」に取り残された少女。

彼女は先生が「みんな帰ろう」と呼んだときに、下校時間になりついに一人で泣ける時間を手にするのです。

そうした苦しい状況でも、彼女は少しの希望を見つけて学校に通い続けることで戦いを挑もうとしているかもしれません。

まとめ

神聖かまってちゃんの『僕の戦争』は『進撃の巨人』の物語とリンクしつつ、いじめを受ける人々の日常を描いた歌詞です。

この歌詞から見えるのは、いじめと戦争はどちらも人々の悪意によって引き起こされるものであり、被害を受ける側にとっては同じく辛い現実であるということです。

それでも絶望することなく、今できることを続けることで、状況を打破する可能性があるのかもしれません。

歌詞が不穏な雰囲気を持っている一方で、その内容はつらい毎日に耐えながら生きる人々に勇気を与えてくれることでしょう。