【白いカイト/My Little Lover】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回紹介する楽曲は、最初は冬にぴったりだと思っていましたが、実は夏にも合うという意見もあり、ちょっと迷っています。

季節感が薄いかもしれませんが、ご了承くださいませ。

悲しみの言葉は全部すてたい 愛はひとつの言葉では語れないけど

心地よくすっきりとした序盤から始まり、悲しみからポジティブな気持ちに転じる。

その後、愛に焦点を当てる展開が続く。

悲しくなる程誰かを愛したい

美しく続く流れの中で、さっそく「悲しく」というフレーズが登場するが(笑)、それが愛に繋がっていくのは興味深い。

それに気づかぬフリをして 時は流れた

切ない雰囲気が漂う。

これまでの展開を考慮すると、悲しみを超えようとしている様子がうかがえる。

そして今 chance chance chance逃している 自分ばかりが目につく 世界は私だけおいて 回り続ける

空は夏の色に染まる 白いカイトも揺れている 心の中つないだ恋のタイトロープ渡りたい

爽快感に満ちたサビが現れる。

夏の風景に溶け込む中、ゆらゆらと白いカイトが登場する。

これには何か意味があるのだろうか。

歌詞が示すように、カイトと手が結ばれている様子は、タイトロープを渡る様子に似ている。

歌詞がカイトを恋になぞらえるのは、これまでに聞いたことがない興味深い表現だ。

メロディーに隠れがちだが、歌詞もまた優れている。

夕暮れの空に向かって 少年はカイトを上げてる まるで地球と話をしてるみたいさ なめらかに

2番のサビも素晴らしい。

カイトを持つのが少年であるというのは、爽やかな印象がある(少し強引かもしれないが)。

その様子はきっと楽しげなのだろう。

また、倒置法を使って滑らかさを表現する技法も、味わい深い。

しかし、地球と対話するといった表現では、まだまだスケールが足りないように思える。

銀色の波に向かって白いカイトは揺れている まるで宇宙とダンスをしているみたいさ

宇宙とのダンスを忘れてはいけない。

この曲は、マイラバの中でもかなり有名な部類に入るだろう。

ミリオンヒットには届かなかったが、インパクト大の名曲である。

最近では夏のチューハイのCM曲にも選ばれた。

そうそう、こうしてリバイバルしていかないとね。

冒頭でも触れた通り、この曲は長い間冬の曲だと思われてきた。

歌詞には夏の色が出てくるが、それは冬の景色が夏に変わるという比喩だと解釈されていた。

そうした季節感の誤解は他にも見られる。

しかし、どれも名曲である。

オールシーズン聴ける曲は本当に強い。