【Ca Va ?/ビッケブランカ】歌詞の意味を考察、解釈する。

過度に考えることを避け、時には自分の気分に従って行動することは大切ですね。
ビッケブランカの『Ca Va?』は、そのようなメッセージを持つ曲です。
この曲はSpotifyのCM曲としても有名で、フランス語の歌詞も登場します。
歌詞の解説と和訳も掲載していますので、ぜひお楽しみください!

フランス語のタイトル

急速に人気を獲得しているビッケブランカさん。

数多くのタイアップがありますが、今回はSpotifyのCM曲として選ばれた曲です。

『Ca Va?』というタイトルはフランス語で「元気?」という意味を持ちます。

アルバムのジャケット画像には、手を挙げて挨拶しているようなイラストが描かれているため、その名の通りの明るく元気な曲と連想されますね。

実際、聴くと心が躍るような明るさが感じられる仕上がりとなっています。

また、この曲について独自に和訳し、解説もしてみました。

気になる方は、オシャレなMVも一緒にご覧になってみてください!

MVも必見

ピアノを奏でながら、フランス語の歌詞を歌い上げるビッケブランカさん。

シックな雰囲気から「今回は穏やかな曲なのかな?」と思わせる演出ですが、突如、ラフな服装の彼が飛んだり跳ねたりする様子が見られます!

レトロでカラフルな画面は非常に洒落ていて、90年代のテイストを感じて、懐かしくなる方もいることでしょう。

宇宙船の出現や、光線銃を手に戦う姿も見られました。

彼の姿はまるでマンガやアニメのキャラクターのよう…そして驚くことに、ビッケブランカさんが二次元のキャラクターになるシーンも登場します。

彼が落下していく様子では、色々な人物(手しか見えませんが)から指をさされているようにも見えます。

指差す行為には「非難する」という意味もあるため、彼は色々な人からの意見に晒される立場なのかもしれません。

そんな彼が大砲の筒へと落ち、撃ち出されて再び三次元に戻り…驚くことに映画『サタデーナイトフィーバー』のようなダンスを披露します!

そして次には地球の前に立ち、周りにボーリングのピンを置いてリズムを刻む、カオスな状況にも遭遇します。

背景には地球に迫るUFOの姿も…!
本当に謎めいた展開です。

最後には再びピアノ弾き語りのシーンへと戻り、しっとりとした雰囲気でMVのラストを締めくくります。

楽曲は緩急がはっきりしていますが、その歌詞にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?

なお、和訳については著者はフランス語に堪能ではないため、間違っている場合もあるかもしれません。
ご理解ください。

短いフレーズの中に込められた巧みな表現

Je chante
Si tu es triste
Tu sais que j’existe
La-bas sous le-le ciel du Midi
Je tu demande
Ca Va?

「僕は歌う 君が悲しいなら 君は私が存在することを知っている 正午の空の下に お願いします 元気?」

ビッケブランカさんがしっとりとピアノで歌い上げた内容です。

歌詞は、気分が落ち込んでいる「君」に寄り添って、「僕がここにいるよ」と伝えている様子。

引きこもりがちな「君」に対して、外に出てほしいという思いが込められているのかもしれません。

最後にはタイトルにもなっている『Ca Va?(サヴァ?)』と挨拶を繰り返しています。

この曲の主人公は親しい「君」を励ます気持ちを表現していますね。

最初は落ち着いたトーンで歌っていることから、落ち込んだ「君」の気持ちに寄り添っていることがうかがえます。

主人公は「君」との共通の居場所を具体的に「正午の空の下に」と歌詞に描いています。

こうした工夫により、相手の心にフックをかけ、興味を引きます。

伝える内容だけでなく、伝え方にも意識を向けることが重要であり、相手に爪痕を残す効果的な方法なのです。


C-C-C-C-Cmon Ca Va?
C-Cmon Ca Va?
C-Cmon Ca Va? bien bien?
かなりかんちがい
Cane Cane Cane Cane Cane Cane
C-C-C-Cmon Ca Va?
Ca Va? bien bien?
かなり段違い
Dane Dane Dane Dane Dane Dane

「さあさあ 元気? さあ 元気? さあ元気?良いですか?良いですか? (中略) 鴨 鴨 鴨 鴨 鴨 鴨 さあ元気? 元気?良いですか?良いですか? (中略) ロバ ロバ ロバ ロバ ロバ ロバ」

ビッケブランカさんは落ち込んだ「君」に対して陽気に呼びかける主人公。

歌詞が理解できると、一緒に楽しくダンスを楽しもうと誘っているようにも見えます。

フランス語の「カモン(Venez m’on)」をもじった「鴨(canard))」という意味を登場させる遊び心も楽しいですね。

フランス語が分かる人にはニヤリとする部分でしょう。

最後になぜ「dane(ロバ)」と連呼しているのかは分かりませんが、意味があるのかないのか、あるいは単に面白い響きなのかもしれません。

挟まれる日本語の部分は意味がないように見えますが、実は落語や漫談のような高度な技術が含まれているのが興味深いです。

フランス語を理解するだけでなく、フランス語の発音に近い日本語を巧妙に盛り込んでいるので、センスの要ることですね。

歌詞には短いフレーズしかないですが、表現には工夫がこらされ、ロジカルに言葉が並べられています。

歌詞作りにおいて大事なのは、どういう意味と印象を込めるかを考えることであり、この曲はそれが巧みに行われていると言えるでしょう。

窮屈な現代社会へのメッセージ

Check the micro
上と下の瀬戸際に
あぁ なんか上機嫌だ 攻めたいかも
どうしたって待てないかも
迷いは一寸 それならいっそ
Let’s get going
上上上機嫌で攻めたいかも
そう決めて走りだそう
知らないことも
知らないままゆこう

「マイクをチェックして」

「さあ行こう」

この歌詞は、気分の浮き沈みについて言及しているのかもしれません。

歌い進む内に主人公の気分は上向きに変化していくようです。

歌詞から想像してみましょう。

今すぐに何かを楽しんだり騒いだりしたい気持ちが高まっているものの、夜まで待たなければならない状況…。

そわそわしながら待つうちに、主人公はもう待てなくなり、すべてを捨てて駆け出すことに決めます。

悩みを解決することを諦めて、とにかく人生を楽しむことに決意するのです。

衝動に従った行動かもしれませんが、時にはそんな行動も必要なのかもしれません。

この歌詞は、一度きりの人生で大切なのは行動を起こすこと、というメッセージを訴えているのかもしれません。

人間は考える生き物であり、大人になればなるほど論理や思考が邪魔をすることもあります。

しかし、本来人間は感情の動物であり、感情の部分で意思決定をしているのです。

この歌詞には現代社会の複雑さに対する風刺も含まれています。

現代人は物事の意味を考えすぎてしまい、結果として精神的な問題に悩まされることもあります。

しかし、本来は自然の一部であり、自然に従って生きる力が大事であると歌っているようです。

この歌詞はシンプルに見えるかもしれませんが、深い示唆に富んでおり、現代社会に向けたメッセージを込めています。


Love 君ならできるよきっと
風が吹くように いつも通りに
Feel 高鳴る気持ちが宙に舞う

気にしない 気にしないで

C-C-C-C-Cmon Ca Va?

主人公は過去の経験から、「君」に対して楽観的なアドバイスをします。

自分の気持ちに正直になり、リラックスして過ごすことが良いと伝えます。

悩みを一旦置いておいて、他のことに意識を向けて楽しむことを提案しています。

心配性な人にとっては難しいかもしれませんが、考え続けることで心が落ち込んでしまう場合は、無理やりでも別のことに目を向けることが必要な時もあるでしょう。

少し問題から離れて過ごすことで、解決策が見つかったり、「こんな小さなことで悩んでいたのか」と気づくこともあるかもしれません。

この後の歌詞は省略しますが、ここで伝えたいのは2つのことです。

1つ目は「思考の枠」を外すことであり、もう1つは「身体の反応」を大切にすることです。

考えすぎて行き詰まることが多いのは、既存の常識や固定観念に縛られてしまうからです。

そういう時は普段と異なることをしてみたり、新しい場所に行ってみると新しい気づきが得られることがあります。

そして2つ目に、「高鳴る気持ちが宙に舞う」と歌詞に表れるように、心や身体の反応を大切にすることの重要性です。

頭で考えたことは簡単に嘘をつくことができますが、自分の体や心の反応は嘘をつきません。

その身体の反応に対して正直に、素直に生きることが大切だと伝えているのです。

この歌詞は現代社会の潜在意識に深く刺さるメッセージを含んでいると言えるでしょう。

気にしない気にしない

気にしない 気にしない
(Don’t worry man Don’t worry man)
気にしない 気にしないで

しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです 段違いなんです
しかたないんです かんちがいなんです

“(心配しないで君、心配しないで君)”

英語でも「心配しないで」と呼びかけている主人公。

その後の「~です」が続く歌詞は「君」が応えているように感じられます。

「君」は生まれつきの性格がとても心配症で、常に悩みを抱えているような人物かもしれません。

二人の掛け合いは微笑ましいものであり、ちょっとしたユーモアも感じられますね。

「いつも人に責められている気がする」と謝ることがクセになっている人もいますが、それを「被害妄想が強いだけ」と切り捨てるのは冷酷です。

こうした繊細な人々に手を差し伸べることは、共感や理解が必要な行為かもしれません。

また、より深く解釈すると、この歌詞は複雑な現代社会を生きる我々に向けた力強いメッセージとも解釈できます。

先述のように、我々は必要以上に物事を複雑に考える社会に生きています。

ここで描かれている「君」は特定の相手だけではなく、現代社会全体に共通する心配性の現代人を象徴しているのかもしれません。

こうした人々に対して、「心配しすぎず、もっとシンプルな思考で世の中を生きよう」というメッセージが込められているのです。

人生において大切なことはそれほど多くなく、心配をやめることで生き方は変わることができます。

思考の結果が現実に影響を及ぼすのであれば、思考のあり方を変えることで現実を楽にすることも可能です。

このような逆転の発想を、フランス語・英語・日本語の三つの言語を使ってメッセージとして発信しているのかもしれません。


Seul et j’aurai besoin-besoin de quelqu’un.
Je chante. Je chante.

“一人だと私は誰かが必要になる 私は歌う 私は歌う”

最後に、主人公は「一人ではいられない」と歌いながら曲を終えます。

主人公にとって「歌う」という行為は、お互いを思いやることや寄り添い合う相手を見つけることを意味しているのかもしれません。

また、この歌詞は孤独な人々に向けたメッセージとも受け取れます。

ビッケブランカさんの音楽に対する姿勢を表している可能性も考えられます。