2023年2月3日に発売された「憂国のモリアーティ」19巻。
この巻にて第一部は完結となり、長く続いたウィリアムたちの物語もここで一旦一区切りです。
今回は、あらゆる物事に決着がつく「憂国のモリアーティ」19巻の感想を、たっぷりのネタバレ込みでお伝えします!
「憂国のモリアーティ」19巻の感想
「憂国のモリアーティ」19巻の感想を、2つのポイントに分けて紹介します。
ついにマギンティに勝利
前巻から続いていたヴァーミッサでの戦いは、さらに激しさを増していきます。
シャーロック考案の策により、スムーズに事が運ばないマギンティはイライラ。
切り札だったパロット砲をヴァーミッサめがけて撃ち込むも、グッドナイトに砲台ごと狙撃され、ついにビリーと対峙することになりました。
マギンティとビリーの一騎打ちは、親友・ギャレットの思いを背負ったビリーの勝利。
成長したビリーのおかげで命までは取られずに済んだマギンティでしたが、彼はこんなところですごすご引き下がったり改心したりする男ではありません。
なんと、自分に背中を向けたビリーに向かって、背後からナイフを投げるという最高にゲスい行動に出たのです。
マギンティは前巻から一貫して、良いところが見つからない「徹底した悪役」でいいですね。
しかし、敵のゲスさなどとうに知り尽くしているビリーは軽々とナイフをいなし、マギンティはあえなくお縄に。
ヴァーミッサの住人が勝利を勝ち取るまでの過程は、どのシーンもドラマチックかつスピード感がありとても面白かったです。
ウィリアム完全復活!…だが
ヴァーミッサの戦いには、途中から完全復活を果たしたウィリアムも参加しています。
前巻で吹っ切れた表情をしていたウィリアムは白馬に乗ってヴァーミッサに駆けつけ、ステッキで次々と敵を蹴散らしました。
ウィリアムのアクションシーンはかなり久しぶりで、相変わらずの強さに圧倒されます。
戦いが終わり、シャーロックと一息ついていたとき「聞いてもらいたいことがある」と真情を吐露し始めたウィリアム。
ウィリアムは、迷っても悩んでも命ある限り存在し、もがきながらも答えを探すことが大切なのだという結論に辿りついていました。
結論を共有し「共に生きてほしい」とお互いに言い合うウィリアムとシャーロック。
正直な感想をいうと、とてもBL感が強いように思います。
ビリーからは「結婚の誓いみたい」とツッコまれており、もはや恋情を模して友情を描きたいのか、友情を模して恋情を描きたいのかよくわかりませんでした。
ウィリアムが完全復活したことは喜ばしいですし、シャーロックとの友情も好きに育めばいいですが、個人的にはもう少しBL色を抑えてほしかったのが本音です。
「憂国のモリアーティ」19巻の見どころ
ここからは「憂国のモリアーティ」19巻で特に印象深かったところを深掘りして紹介します。
まさかのグッドナイトがカッコよすぎる
これまで「ザ・お調子者」的なポジションにいたグッドナイトですが、男のプライドでパロット砲に一人で立ち向かい一躍ヒーローに。
低く銃を構え「Good night(これで終わりだ)!」というグッドナイトが、びっくりするほどカッコよくてしびれました。
グッドナイトの訃報を聞いた弟分・ショウの殊勝ぶりにも心打たれます。
その後、グッドナイトの勇姿は多くの人に語り継がれ、話を聞いたジャックたちも号泣していましたよね。
本名「バーディ・エドワーズ」ではなく、グッドナイトとして生きた彼の墓標に「グッドナイト・ロウ」と刻まれたのも感慨深いです。
日常を取り戻し終幕へ
最終話である76話では、本作の主要キャラクターが大集合。
酔って泣き上戸になるジャックたちや、あいかわらずウィリアムに丸め込まれるモラン、ぶっちゃけセンスがないくせに自作料理への絶対的な自信を崩さないアルバートなど、ギャグ度の高いエピソードは安定感がありました。
日常を取り戻したアルバートとウィリアムがスコーンを分け合うシーンは、1巻のエピソードを思い出させて懐かしさを感じます。
そして物語は、ルイスと朝の「平和なやり取り」を経て終幕へ。
19巻で第一部は完結となりますが、既に第二部の連載を予定しているとのことで、新たな展開に期待です。
「憂国のモリアーティ」19巻の感想まとめ
あらゆる物事が丸く収まり、大団円となった「憂国のモリアーティ」19巻。
個人的には連載開始当初の毒気のある雰囲気のほうが好きでしたが、皆が笑顔で最終回を迎えられてよかったとも思います。
19巻はバトルあり、友情あり、笑いありの大ボリュームで、読み応えもありました。
そして第二部からは構成家さんが変わるそうですが、それが吉と出るか凶と出るかが気になるところ。
今以上にオリジナリティの強い作風になることが予想されるため、ストーリーが全く想像できずわくわくします。
「憂国のモリアーティ」の今後の展開から、まだまだ目が離せそうにありません。
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