【ネタバレあり】漫画「憂国のモリアーティ」18巻の批評と感想。

2022年8月4日に発売された「憂国のモリアーティ」18巻。

18巻では、前巻より始まったNY編「恐怖の谷」がついに本格始動し、新キャラ・ビリーザキッドが大活躍します。

今回は、西部劇のようなスピード感が楽しめる「憂国のモリアーティ」18巻の感想を、ネタバレ込みでお伝えしましょう!

「憂国のモリアーティ」18巻の感想

「憂国のモリアーティ」18巻の感想を、2つのポイントに分けて紹介します。

任務に同行したがるビリー

シャーロックに届いた米国政府からの任務依頼に同行したがるビリー。

任務で排除対象になっている男・マギンティに対し、ビリーは深い因縁を持っていました。

かつて、ビリーの故郷は大規模な地上げに飲まれたことがあり、そのときの地上げ屋こそマギンティだったのです。

ビリーは故郷を買収しようとするマギンティと戦おうとしますが、親友のギャレットは「この町は無くなって構わない」と言い放ち、戦わない姿勢を貫きます。

ビリーとギャレットはそのまま決闘にもつれ込み、仲たがいしてしまいました。

しかしこれは「町の存続よりも人命が大事」と考える、ギャレットの優しさだったのです。

ビリーがこの事実に気づきギャレットの消息を追ったとき、彼は揉める住人とマギンティの間に入って既に殺されていました。

「決着を付けなきゃならない」というビリーに心打たれたシャーロックは彼の任務同行を許し、2人はウィリアムをニューヨークに残してヴァーミッサへと出発します。

いつも明るく振る舞っているビリーですが、思わぬ過去を背負っていたことが判明し、一気に「人間味のあるキャラクター」になりました。

 地上げ屋VS町の住人

ヴァーミッサでは、かつてのビリーの故郷同様に、住人たちが買収の是非で揉めていました。

しかしそこにマギンティが登場し、土地買収に反対する住人をたやすく殺してしまいます。

マギンティのような「わかりやすい悪役」キャラクターの登場は、かなり久しぶりですね!

「絶対的な悪をビシバシ裁いていく」のが本作の魅力の一つでもあったので、久しぶりの悪役登場に心が躍りました。

そんな中、シャーロックとビリーがヴァーミッサに到着。

シャーロックは町の住人や用心棒らと手を組み、少ない人員でもマギンティに勝てるよう策を練ります。

それと同じころ、ニューヨークに残ったウィリアムは一つの事実を掴んでいました。

見落としていた指令書を発見し、マギンティはシャーロックたちが想定している倍の戦力を持っていることが判明したのです!

マギンティとの決闘は次巻に持ち越しとなりましたが、シャーロックの策がどのように機能するのか、離れた場所で事実を知ったウィリアムはどうするのかなど、今後の展開が気になります。

「憂国のモリアーティ」18巻の見どころ

ここからは「憂国のモリアーティ」18巻で特に印象深かったところを深掘りして紹介します!

ビリー大活躍でテンポが良い

「憂国のモリアーティ」18巻で大活躍したのがビリーザキッド。

暗い過去があったと判明しただけでなく、名ガンマンとして腕を振るうシーンも丁寧に描かれ、かっこいいところが目立ちました。

また、ビリーは飄々として軽口を叩くキャラクターだからこそ、登場するだけでストーリーが明るくなりますね!

最期の事件以降、「憂国のモリアーティ」はどこか陰鬱とした雰囲気が続いていたため、テンポよくストーリーを進めてくれるビリーの存在は貴重です。

ウィリアムに希望の光が!?

「最善の罪滅ぼしとは何か」をずっと考えていたウィリアム。

何も思い浮かばずふらりと町に出たウィリアムは、ある日、母親のために購入したプレゼントを失くして泣いているヘレナという少女に出会います。

ウィリアムはヘレナに力を貸し、見事失くしたプレゼントを発見。

屈託ない笑顔でヘレナからお礼を言われたウィリアムは、思わず涙をこぼします。

一時は自分の存在価値を軽んじて死を望んでいたウィリアムだからこそ、ささやかでも他人の役に立ち感謝されることが心に響いたのでしょう。

そしてこの出来事は、ウィリアムにとって希望への足がかりとなったようです。

迷いを捨てた表情で意味深に「それでもいいのか…」とつぶやくウィリアムが、今後どのような行動に出るのか期待が高まります。

今回も巻末にオマケあり!

「憂国のモリアーティ」17巻にはモリアーティ陣のプロフィールが掲載されましたが、18巻ではシャーロック陣のプロフィールが掲載されています。

今回もキャラクターが持っている悩みが掲載されており、本編だけではわからない個性が垣間見えて楽しいです。

さらに、今回全く出番がなかったルイスやアルバートたちは、ちびキャラとなって巻末に登場しています。

「憂国のモリアーティ」18巻の感想まとめ

長らく「序章」のような話が続き停滞しているように感じられた「憂国のモリアーティ」ですが、18巻にしてようやく以前の疾走感あるストーリーが復活しました。

次巻ではマギンティらと全面戦争に発展する可能性が高く、さらにスピード感が増すことが期待されます。

「憂国のモリアーティ」19巻の発売が今から楽しみです!

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