【ネタバレあり】漫画「憂国のモリアーティ」16巻の批評と感想。

2021年12月3日に発売された「憂国のモリアーティ」16巻。

16巻では前巻より続いていた「空き家の冒険編」もいよいよ大詰めを迎え、ついにモランやアルバート、そしてウィリアムが姿を現します。

物語の本質的な罪に迫る「憂国のモリアーティ」16巻の感想を、ネタバレ込みでお届けします!

「憂国のモリアーティ」16巻の感想

「憂国のモリアーティ」16巻は、前巻より続いていた国賊殺害を繰り返すモランと、自らの希望で幽閉されているアルバートを主軸にしてストーリーが進みます。

ルイスと対峙し、やっとウィリアムが生きていることを知るモラン。

これまでずっと「亡くなったウィリアムの意志は自分が継ぐ」と気負っていたモランの苦悩は計り知れません。

そして、そんなモランにフレッドは「自分たちは仲間」であることを強調する言葉を掛けます。

フレッドは言葉数が少なく、本作においてヒーロータイプのキャラクターではありませんが、たまに発するセリフが確信を突いていたり可愛かったりして魅力的ですよね!

フレッドの言葉を皮切りに仲間たちから次々と歓迎の言葉を掛けられ、ようやくモランは「ウィリアム陣の一員」として笑顔を見せました。

シーンは変わり、今度は「憂国のモリアーティ」16巻のメインといっても過言ではない、アルバートに焦点が当たります。

幽閉されているアルバートは、夜な夜な自分の人生や罪、そしてウィリアムについて思いを巡らせていました。

そんななか、どこからともなくそっと姿を現したのは、死んだと思っていたウィリアム!

ウィリアムは前巻でもほとんど姿を現さなかったので「最後の事件編」以来、久しぶりの登場です。

アルバートとウィリアムは、身が尽きるまで贖罪のために命を捧げると誓い合い、ルイスの元へ帰ろうと言葉を交わしました。

ついにウィリアムも登場し、主要キャラクターが完全に出揃った「憂国のモリアーティ」16巻。

本巻では描かれませんでしたが、バラバラになっていたキャラクターたちが再び一堂に会したときの様子が楽しみです。

「憂国のモリアーティ」16巻の見どころ

16巻の見どころはほぼアルバートが持って行ったといってもいいでしょう。

ここからは「憂国のモリアーティ」16巻の見どころをお伝えします。

明かされるアルバートの過去

「憂国のモリアーティ」16巻では、ウィリアムと出会う前のアルバートの過去が明かされます。

どれだけ自分が奮闘しても「狂った世界」を変えられず、そのうちに「間違っているのは世界ではなく自分なのだ」という結論に至った少年アルバート。

そんなとき、自分の考えはおろか魂までをも肯定してくれた存在こそ、幼いウィリアムでした。

ウィリアムとアルバートの出会いは「憂国のモリアーティ」1巻にも掲載されていましたが、アルバート視点だとかなり違った雰囲気に仕上がりますね。

1巻を読んでいた時点では、まさかアルバートがとことん世界に絶望し、自らの手で命を絶とうとするほど追い詰められていたとは思いもしませんでした。

ウィリアムと出会い世界を変える知恵と勇気を手に入れたアルバートは、自身を「救われた」と形容していますが、結局ウィリアムに人殺しをさせた罪に苛まれています。

優しいからこそ強硬な手段に出たアルバートにとって、果たして何が本当の救いなのでしょうか。

ウィリアムとアルバートの兄弟愛

ようやく再会したウィリアムとアルバート。

「自分のせいでつらい思いをさせた」と謝罪を繰り返すアルバートの言葉を、ウィリアムは優しく否定します。

アルバートがいなくても、いずれは犯罪卿として計画を実行するつもりだったこと、一緒に一歩踏み出してくれたアルバートに応えたいと思っていたこと…。

血の繋がりを持たず、偽りの兄弟であるアルバートとウィリアムですが、本物の兄弟以上の魂の繋がりを感じ、再会シーンは思わず胸が熱くなりました。

「憂国のモリアーティ」16巻の気になる点

ついにモランとアルバートもウィリアムが生きていることを知り、全体的に美談だった「憂国のモリアーティ」16巻。

しかし、キレイにまとまり過ぎていたことが、違和感にも繋がりました。

ここからは「憂国のモリアーティ」16巻で気になったポイントをお伝えします。

モランが思いのほかあっさり合流

前巻から引っ張り続けたモランの葛藤ですが、最終的にはたった一話に集約されて、あっさりモリアーティ陣と合流したのは拍子抜けしました。

3年という月日の間、モランが悩み苦しんでいたことを連想させるセリフはありますが、描写がほとんどないためイマイチ感情移入できません。

どことなく「勢いあまって暴走し、黒歴史を刻んだ奴」っぽく扱われて、モランが少し不憫です。

ついに全員が「贖罪モード」へ

「憂国のモリアーティ」16巻では、ついに全主要キャラクターが贖罪を意識することとなりました。

“悪を以て悪を征す”として始まった物語のため、やはり全キャラクターが仲睦まじく罪を償おうとする姿に違和感を覚えます。

また、自己憐憫のターンが長いため、キャラクターの深掘りはできますがエピソードに疾走感がありません。

「憂国のモリアーティ」16巻の感想まとめ

各キャラクターたちの苦悩が描かれた「空き家の冒険編」もついに終幕。

個人的には気になる点もありつつ、全体的にはスッキリまとまり読みやすかったです。

17巻からは、3年間の間に起こった出来事を深掘りする「ニューヨーク編」がスタート!

まだまだキャラクターたちが贖罪に囚われるシーンが続きそうですが、最後まで見届けたいと思います。

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