漫画「幽☆遊☆白書」の批評と感想。

~はじめに~

『幽☆遊☆白書』は、作者・冨樫義博氏による少年漫画であり、週刊少年ジャンプで1990年から1994年まで連載されていました。

この記事では、今なお語り継がれる大人気漫画『幽☆遊☆白書』の全体を通しての感想を書いていきます。

~感想・批評~

私は冨樫氏の『HUNTER×HUNTER』が大好きなのですが、休載続きであるために冨樫ワールドを味わえずに不満が募っていました。
そんな中、なんとなくしか知らなかった前作『幽☆遊☆白書』が気になり出して、気が付くとあれよあれよという間に全19巻を読破していたのです。

連載が終了してから27年も経っているし、絵やノリについていけるか不安だったのですが、それは杞憂でした。

絵は読み手をワクワクさせるエネルギーに満ちたものでとにかく上手く、物語の第一話から主人公が死ぬというトンデモ展開によってどんどん引き込まれていきます。
そこから次第に男臭いバトルが繰り広げられるようになると、もうページを捲る手が止まらず、夢中で読み進めました。

超個性的で魅力あふれるキャラクターたちばかりが登場するのも凄いです。
特に魔界や霊界でのキャラクターは一度見ると頭から離れず、もっと知りたい!もっと見たい!と熱狂しました。
普通はそういったキャラクターは敵になる事がほとんどなのですが、ともに仲間として戦うところもいいですね。
それぞれの技も派手ですし、見ていてテンションが上がります!

本作の主要キャラである飛影や蔵馬は大人気ゆえに名前だけ以前から知っていたのですが、多くの人が魅了される意味がよくわかりました。
飛影のクールな性格に加え、暗黒の炎を操る姿には思わずカッコイイ!と声に出してしまうほどですし、蔵馬のあの美しい容姿とそれにぴったりな薔薇の能力には心から虜になりました!
他にも主人公の幽助や桑原は男らしいですし、男女関係なく人気な作品なのもうなずけます。

多くの読者の “萌え”や“中二病”を大いに引き出した作品でもあり、この作品から漫画やアニメにハマってオタク活動を始めた人も多いのではないでしょうか。

とにかくこの『幽☆遊☆白書』には、少年が憧れ、少女がうっとりとするような世界がたくさん詰まっているのです!

また、脇を固める女性陣も良いですね。

その中でも自分は特にヒロインである螢子への思い入れが強く、幽助とケンカばかりしていても強い絆で繋がっている関係が好きです。
強気な性格にもかかわらず、幽助の命を懸けた闘いをそっと見守る姿がとても健気で、ボロボロになった幽助の帰る場所である螢子の存在に一読者の私も救われた気がします。
幽助が螢子にプロポーズしたシーンは今でも鮮明に思い出せるほど大好きなシーンです!
バトルだけじゃなく恋愛要素も楽しめる少年漫画は本当に良いですね。

最初は中学2年だった主人公が回を重ねるごとに強く成長していく姿には胸が熱くなりました。
単細胞で破天荒な主人公の幽助には、なぜかすべてを任せられる無敵のパワーのようなものがあり、不良な主人公も泥臭くて良いなあと思えたのは新鮮でした。
未成年でありながら飲酒や喫煙をするのは少しいただけませんが(笑)

やはり少年漫画はこうでないと!と感じられる場面がこの作品にはたくさんあります。

暗黒武術会編のトーナメント形式のバトルも非常にワクワクと心が躍りますね。
目の前の敵を倒してもさらに上の実力を持つ敵が登場するのがたまりません!

こんなとんでもない敵には絶対勝てないだろ~!とはじめは思っていても、さまざまな発想によって最終的には勝利してしまうのだから、主人公たちには感動を覚えずにはいられません。
漫画だから…と言ってしまえばそれまでなのですが、たしかに平凡な日常を送っていたら味わえないような大興奮がそこにはありました!

また、敵となるキャラクターのデザインやその背景、心理描写も秀逸です。

ただ残虐非道なだけの敵であれば感情移入することなく読み進めることができるのに、登場する敵のひとりひとりにもちゃんとしたバックグラウンドが用意されているので、思わず憎み切れずに切なくなってしまいます!
これも冨樫氏の策略のうちだと思うと悔しいですが、あっ晴れと言わざるを得ません。

キャラの外見もそうですが、どこからそんなアイデアが生まれてくるのかと唸ってしまいます。
たまにキツいグロテスクなシーンも登場し、目を覆いたくなりますが、それも作品に、より深みを持たせるために必要なことなのだと感じると許容することができました。

本作のとんでもない敵と言えば、黒のサングラスが特徴的な暗黒武術会編の大ボス・戸愚呂弟なのですが、もうこのキャラが見るからにやばいんです。
すべての実力を出していないにもかかわらず、筋骨隆々の圧倒的な見た目であり、それだけで読者は絶望してしまいます。
しかしそんな見るからに勝てない敵にも諦めずぶつかっていく幽助の姿がとても眩しかったです。
戸愚呂弟もどんな非情な戦いをするのだろうと私自身戦々恐々としていたのですが、意外にも純粋に強さを求める人物であり、その志には主人公の幽助も憧れるほど。
幽助に敗北し、地獄へと落ちていく最後は敵ながらにグッと来たシーンでした。

みんなが知る作品でありながらも実は連載期間が4年と短いことに驚きました!

こんなに有名な作品となっているのは、やはりその濃いキャラクターたちと魔界という珍しく興味深い世界を舞台にしているからだと思います。

とても面白く読み進めていたからこそ、終わりに近づくにつれ雑になってしまったのが残念でなりませんでした。
終わり方もあっさりとしており、拍子抜けしてしまいましたが、主人公の幽助はヒロインである螢子と結ばれましたし、長く続くほど物語は中だるみするものですから、こういう終わり方もありなのかなと自分に言い聞かせました。

漫画のクオリティはとても高いものなのに、作者の気分や大人の事情によって質が下がってしまうのが非常にもったいない点です。

しかし、なんだかんだでハッピーエンドで終わったのはとても嬉しかったです。『HUNTER×HUNTER』の残酷な展開の数々を知っていたので心配していましたが要らぬ心配でした!

最後、幽助がラーメン屋になっていたのはびっくりしましたが(笑)、今まで多くの厳しい戦いをくぐり抜けて来たからこそ穏やかに生きていってほしいと思いました。
絵や展開が雑だと思っていても、いざ最後の最後にみんなでの写真が映ると、なにも言えなくなるから不思議です。
強引にまとめた感は否めませんが、やはり大切なキャラが誰ひとり死なずに生きていてくれる以上に幸せなことはありません。

『幽☆遊☆白書』は1992年から1995年まで放送されたアニメも高視聴率を叩きだしているので、またいつかこちらもちゃんと見てみたいです。
動く、幽助をはじめとしたキャラクターたちに興味がありますし、原作よりもしっかりとトーナメントシーンが描かれていると聞きましたので、また違った見方ができるのではと期待しています!

本作をまた何年後かに読み返すと惹かれるキャラクターや抱く感情も違うのかなと思います。
今現在は蔵馬や飛影に大きな魅力を感じますが、未来では桑原のようなイケメンじゃなくても筋の通った情に厚いキャラに惹かれるような人間になっていたいです(笑)

綺麗な絵に慣れてしまった現代人には少し古くさく感じられると思いますが、それ以上に心動かされる熱い内容が待っていますので、最近ハマれる少年漫画がないという人にぜひ読んでほしいです!

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