【ネタバレあり】漫画「東京卍リベンジャーズ」26巻の批評と感想。

2022年2月17に「東京リベンジャーズ」の最新刊である26巻が発売されました。

今回は、26巻のネタバレを含めた批評や感想をしていきたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いください!

さて、前の25巻ではドラケンが撃たれ、死亡するという衝撃的な展開がありました。
そして、その直後に現れたマイキー…。

26巻の冒頭は、彼の窺い知れない表情からスタートしました。

ドラケンが亡くなった余韻に浸る暇もなく、梵(ブラフマン)と六破羅単代、関東卍會の三チーム入り乱れての抗争が始まってしまいます。

読んでいる私自身、マイキーと同様に気持ちがついていけず、ただただ放心状態で読み進めました。

その間にも抗争は繰り広げられ、誰に感情移入すればいいのか戸惑う中、六破羅単代のサウスにスポットライトが当たります。

ブラジルの貧民街に生まれたサウスは12歳にして人を殺めており、ギャングチームのボスにまで上り詰めていました…。

今まで作中には銃や人死にの描写があり、残酷なことには少し慣れたつもりでしたが、これはちょっと衝撃でしたね(笑)

日本に留まらず、海外からも参戦してくるの!?
しかもギャング!?
と、規格外なことに一瞬パニックに(笑)
作者の引き出しが凄いなぁとも思いましたね。

また、今さらですが不良たちの純粋な喧嘩はもうどこにもないのだとも改めて感じました…。

「俺の時代」を日本でも創ろうとするサウス。
暴力で何もかもを支配する彼は凶暴で恐ろしい…。
在りし日のマイキーが掲げていたのはサウスのような自分ひとりのものではなく「不良の時代」を創ることでした。

それがどういうものだったのか、今の彼からはもう知ることはできません。
しかし、もし見ることができるならばマイキーの言う時代が見てみたい。
眩しく、行き場のない不良たちを導くような…。

上には上がいると言いますが、サウスの登場であまりにも不利だと感じました。
屈強な男たちが彼によって沈んでいく中、立ち向かう千咒。

いやここで出たところで…と期待できずにいましたが、本気を出した千咒の前に倒れるサウス!

まさかの展開にそんなのアリ!?
と驚きました。
いやバトル漫画ではよくある展開ですが、ここまでのサウスの過去やらが盛大な前振りに感じてしまいました。

いやいや元ギャングのボスが女子高校生に倒されるわけないだろ…と。
そんな展開もあり得るんです。
この「東京リベンジャーズ」ならば。

そして一旦場面は変わり、物語は千咒の兄・武臣の視点へ。

武臣の幼馴染はマイキーの兄である佐野真一郎。
武臣は彼を「不思議と人が集まる特別な男」と評していました。

しかし真一郎はそれを笠に着ることもなく、ただ「ひたすらに優しかった」と。

過去の私は、必ずしも力のあるものがリーダーになれるわけではないという言葉に疑問を抱いていましたが、この真一郎の姿を知り、なるほどなぁと改めて考えさせられました。
力よりも大事な要素。
人をよく見て、良い方向へと導く力。
それが人の上に立つ人間に必要なものなのです。

最弱王と呼ばれても総長に選ばれるほど人格者だった真一郎。
ただただ死んでしまったことが悔やまれます。
今生きていたらマイキーもここまで心を病むことはなく、ドラケンやエマだって死ぬことはなかったんじゃ…と。

はじめは強いやつに勝ちたい!
という純粋な気持ちだったはずなのに、チームは膨れ上がり、後には引けなくなってしまった千咒。
いや、千咒だけではなく、きっとみんなそう。

そしてマイキーに勝負を挑む鶴蝶ですが、拳を受けてもなんの反応もないマイキー。
まるで死人のよう…。
真一郎やエマ、ドラケン、大切な人を立て続けに失い、心はボロボロのはずです。

「カラッポだ」と呟いたマイキーを塗りつぶす「黒い衝動」。

皮肉なことに今マイキーを満たし、突き動かすのは「黒い衝動」だけでした…。

元々優しくて純粋な彼を知っていたので、そんな人がただ悲しみに飲まれてしまった姿に胸が痛くなりました…。

一方、勝負はついたかのように思えましたが、千咒に一度ダウンさせられても起き上がるサウス。

やはり体格のせいもあって千咒も押されはじめてしまいます。

そこに黒い衝動によって覚醒したマイキーが現れ、鶴蝶やサウスをボコボコに…。

ただ暴力に飲まれてしまったマイキー。

優しさと凶暴性はいつだって紙一重で、それはきっかけさえあれば簡単に切り替えられるのだと彼を見て思いました…。

ついにサウスを殺してしまったマイキー。
その前に立ちはだかる武道をまたいつぞやのように傷だらけにしてしまいます。

彼を救うことができるのは力ではなく言葉だけ。
そしてそれができるのは武道しかいません。

また、一種、物語のスパイスとして登場した千咒の活躍も気になるところ。

重要な人物が次々と命を落とし、遂にはマイキーまで人殺しに手を染めてしまいました。

現状を変えられる可能性があるのは、もちろん武道という存在。
武道は戦闘に参加していないので別の方向で…もしかすると自身の命と引き換えにより良い未来を創るのではとも考えてしまいます。

キャラが多くなりすぎて、もはやひとりひとりに感情移入することは無理ですが、今はただ物語を見守りたい…。

衝動に突き動かされるマイキーを前に武道はどう動くのでしょうか…。

次巻の展開にも注目です!

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