漫画「四月は君の嘘」作中の名言を名シーンと共に紹介。

はじめに

「四月は君の嘘」は月刊少年マガジンで連載されていた漫画です。
2014年にアニメ化されて、2016年に実写映画となりました。
2022年にミュージカル舞台になるほど話題になっている「四月は君の嘘」の作中の名言、名シーンを紹介していきます。

「四月は君の嘘」の名言&名シーン

名言&名シーン①

みんな怖いよ。
舞台に上がるのは。
失敗するかも、全否定されちゃうかもしれない。
それでも歯を食いしばって舞台に上がる。
何かに突き動かされて私たちは演奏するんだ。

かをりが有馬に言った言葉です。
かをりの退院祝いを持ってこなかったこと、かをりのコンクールをメチャクチャにしたことを口実にして、一度だけ有馬に何でも言うことを聞かせます。
それがピアノのコンクールに出ることです。
有馬にピアノを弾いてほしいというかをりの思いが伝わる言葉です。

その後、かをりが思い切って橋の上から川に飛び込みます。
まるで思い切ってチャレンジしてみようということを姿で示してるかのようですね。
その姿を見た有馬は自分の何かが弾けたように飛び込むシーンです。

名言&名シーン②

負けて悔しいのに、落ち込んでるのに、足が痛いのに、目が涙でぐしょぐしょなのに、最悪なのに、どうして星がこんなにきらきらしてるんだろう。
髪から音楽室のにおい、少し荒い息遣いが聞こえる。
涙でぬれた肩口が温かい。
私はそばにいる。
このまま時間が止まればいいのに。

足を怪我した椿が有馬におんぶされている時の椿の思いです。
地区総体で負けた椿が涙を流して自分の思いを表しています。
大会に負けた悔しさと、ずっと有馬のそばにいたいという気持ちが混ざりあっているシーンですね。

名言&名シーン③

私がいなくなったら公生はどうなるの?
ちゃんと生活できる?
音楽で食べていける?
今私にできることは譜面を忠実に正確に弾かせること、手に技術さえあれば将来何とか食べていけるかもしれない。
ひどい母親、あの子に何も残してあげられない…
毎朝歯磨きできるかしら…
どこでも寝ちゃうから風邪ひかないかしら…
運動が苦手だから大ケガしないかしら…
もっとそばにいてあげたかった。
私の宝物は幸せになれるかしら…

有馬の母親が自分の想いを打ち明けるシーンです。
今まで有馬に対してスパルタ教育としてピアノを譜面通り引かせることに集中し、少しでも譜面と違ったら暴力をふるっていました。
車いす生活でもう長くないことが分かっている有馬の母親は、自分がいなくなっても生活できるように有馬を育てていたことが分かります。

後半は病室で横になっている母親が言った言葉です。
今まで冷徹だと思われていた母親が実は一番有馬のことを思っていて、有馬の人生を考えていたことが分かります。

名言&名シーン④

好きと嫌いじゃないの間には何億光年もの距離があるのよ。

椿が斉藤先輩と付き合っているとき、親友の柏木が電話で言った言葉です。
言われた当人の椿は意味が分からない様子ですが、好き、嫌いじゃないと言い聞かせているうちに、正面から有馬が急いで走ってきます。
柏木が有馬に、椿が怪我したから迎えに行ってやれと嘘をついたから2人の時間が生まれました。

2人で砂浜を歩いていると、有馬が音楽科のある高校に行くために家を出ると発言します。
驚いた椿は涙を流して走り出します。
家が隣同士で元気になってほしい、出来の悪い弟だと思っていた有馬のことが好きなんだと気づいてしまったシーンです。

名言&名シーン⑤

そりゃあ、おれなんかで良けりゃさ、何だってするよ。
好きな子のためなら泥水だってすするぞ、ズズズッとな。
でもよ、かをりちゃんはたぶんおれじゃ駄目なんだよ、わがまま言うのも頼られるのも、彼女が何かしてほしいっていうのは、決まってお前だよ、公生。

かをりがもう長くないと聞いた有馬が落ち込み、どうすればいいのか分からなくなっているときに、渡が言った言葉です。
かをりの姿を自分の母親と重ねてしまった有馬は、また母親のようになるのではないかと立ち直れない寸前までいきましたが、渡のこの言葉でかをりに会いに行くことが出来ました。

本当は渡自身が解決したい問題だけど、自分ではなく、有馬じゃなきゃ駄目だと気づいていて、それを本人に伝えるという渡の良い一面が出ているシーンです。

名言&名シーン⑥

悩んでわめいて苦しんでもがき続けた数カ月。
何もかも報われる瞬間がある。
私たちはその瞬間に取りつかれたどうしようもない生き物なのかもしれないね。

学園祭のプレッシャーに押しつぶされそうになった相座凪に向かって言った紘子さんの言葉です。
何か物事を続ける理由として最高の言葉ですね。
ピアノを続けていると、コンクールで自分の演奏が評価される瞬間が来ます。
自分の演奏を聴いて観客が拍手してくれる、賞が貰える、その喜びがとてつもなく嬉しいのでしょうね。

この言葉はピアノだけではなく、他の物事にも活用できそうですね。
勉強をする理由や働き続けるのは、出来ることが増えたり、いい結果が出たときの喜びが、かけがえのないものだからなのでしょう。

名言&名シーン⑦

残酷な男の子。
私にもう一度夢を見ろと言う。
夢が叶ったからもういいって思ってたのに。
諦めてたのに君はまた枯れた心に水をくれるのね。
欲張りな私はまた夢を見ちゃうよ。
いつか君とワルツを、だなんて。

相座凪と有馬の演奏後、病院の屋上でかをりに事後報告をする場面です。
もう一度一緒に弾いてほしいとお願いする有馬に対して、かをりが涙を流して思った言葉です。
この「夢」はかをりの幼少期の言動から、自分のバイオリンの伴奏を有馬に弾いてほしいというものなので、有馬はさらに夢を与えていることが分かります。

名言&名シーン⑧

一つだけ嘘をつきました、宮園かをりが渡亮太君を好きという嘘をつきました

かをりが最後に有馬に送った手紙の言葉です。
タイトルの「嘘」の意味が分かった場面です。
かをりが渡が好きという嘘が結果的に有馬と出会うきっかけとなっているのを見返してみるとまた違った心情が見えてくるかもしれません。

この文章を読んでいるとき、有馬が驚いているので、この嘘に気付いていなかったことが分かります。
読者も薄々感じてたと思いますが、有馬の控え目な発言や一歩引いてかをりと接するのはこの嘘を真に受けていたからなのですね。

名言&名シーン⑨

私は、誰かの心に住めたかな。
私は、君の心に住めたかな。
ちょっとでも私のこと思い出してくれるかな。
リセットなんか嫌だよ。
忘れないでね。
約束したからね。
やっぱり、君でよかった。
有馬公生君、君が好きです。
カヌレ 全部食べれなくてごめんね。
たくさんたたいてごめんね。
わがままばかりでごめんね。
いっぱいいっぱい…ごめんね。
ありがとう。

同じく、かをりが最後に有馬に送った手紙の言葉です。
まるでかをりと対話するかのように有馬が涙を流して読んでいます。
今まで自分は物語の友人Aとしてかをりを思っていた有馬が、かをりと出会い、バイオリンの演奏を通して自分の世界をカラフルにしてくれて、ピアノを引く理由を見つけてくれた、そのお礼を言いたいのは自分なのに、と悲しい表情をする有馬のシーンです。

まとめ

『四月は君の嘘』の名言、名シーンを紹介してきました。
一度全巻を読んでからまた読み直してみると、言葉や言動の意味が違ったように見えるのが素敵ですね。
さらに、漫画の登場人物に向けた言葉を実際の生活や自分自身に置き換えて、色々考えることができる素晴らしい作品だと感じています。
漫画の他に、アニメや映画で場面の表現方法が異なってくるので比べて楽しむのもありですね。

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