【ネタバレあり】映画「セトウツミ」の批評と感想。

今回、おすすめする映画は『セトウツミ』です。
この映画は、菅田将暉さんと池松壮亮さんが主演し、マンガ原作の作品です。
話題になったことも多いでしょうから、既に多くの方が知っていることかもしれません。

私自身も『セトウツミ』に興味を持っていましたが、つい最近、ついに鑑賞しました。
期待以上に面白い作品で、感銘を受けました。

それでは、『セトウツミ』の映画について詳しく紹介します。
この映画は、2016年に日本で公開されたもので、上映時間はたったの75分とちょうどよい長さです。

原作は、漫画家の此元和津也による『セトウツミ』です。
監督は大森立嗣監督が務めています。

言葉にすると魅力が薄れてしまう

この映画は、高校の同級生である瀬戸と内海が、日常の中で繰り広げる一時間の会話を描いた作品です。
この時間は他愛もなく、しかし奥深く、軽やかでありながら深い絆を探る機会となります。

物語は高校2年生の瀬戸と内海が、異なるクラスに所属しながらも、放課後に内海が塾に行くまでのわずか1時間半を共有し、会話を楽しむ様子を追います。
内海によれば、この時間は「お互いの利害関係が一致しただけ。俺は塾までの時間つぶし、瀬戸は放課後の退屈潰し」という理由で生まれ、続けられています。

瀬戸は鮮やかな髪型と自由な感情表現を持ち、内海は静かな印象を与える容姿を持ち、実際の性格も冷静で感情を押し出さないクールなタイプです。
内海は塾に通っており、勉強も得意です。

これらの対照的な特性を持つ2人ですが、彼らの会話は驚くほど調和し、一時間半が瞬く間に過ぎていきます。
この会話は、大阪の高校生らしい、絶妙なタイミングと言葉選び、ニュアンスの表現によって、自然で面白いものとなっています。

季節が変わっても、2人の日課は変わりません。
制服の衣替えが行われるものの、2人が楽しむ時間は不変です。
そして、物語は先輩のヤンキーが2人に絡んだり、瀬戸の恋心を寄せる樫村(中条あやみ)が登場することで展開していきます。

通常、映画紹介では詳細なあらすじを紹介することが多いですが、今回の『セトウツミ』については、そのように詳細に触れることは避けます。
なぜなら、この映画はストーリーの細部よりも、その独自の雰囲気とキャラクターの魅力に重点が置かれており、言葉にすると魅力が薄れてしまうかもしれないからです。

しかし、誤解しないでください。
『セトウツミ』は、何も大きな出来事やドラマが繰り広げられるわけではありませんが、それでも非常に魅力的で楽しい作品です。
詳細な感想については後ほどお話しします。

主演二人の演技が素晴らしい

高校生のキャラクターを演じる際、俳優の選択は非常に重要ですが、この点で『セトウツミ』は非常に成功していると感じます。
この映画において、池松壮亮さんと菅田将暉さんを起用したことは、大成功と言えるでしょう。
彼らの存在が、この映画を大いに豊かにしています。
実際、この映画を観ながら、彼ら二人の演技に対して「本当に上手いなぁ」と感心しました。

また、若い世代の俳優たちのレベルが向上していることにも触れておきたいです。
昔と比べて、ルックスだけではなく演技力が求められ、事務所もその方向に動いているように思えます。
彼らは将来を見据えて役柄を選んでいるのかもしれません。

池松壮亮さんと菅田将暉さんは、もともと優れた俳優として知られていましたが、この映画でその実力を改めて発揮し、作品を成功させています。
『セトウツミ』は、キャラクターの掘り下げや演技が非常に重要な要素を占める作品だと思います。

二人の会話は、特に「喋り出し」が見事に演じられていることに感銘を受けました。
この要素は実際にはかなり難しいもので、テーマに即座に入る自然さが必要です。
役者にとっての難しいところでもあります。
しかし、彼らの演技はその部分でも非常に自然で、若さながらの洞察力と感受性を感じました。

日本映画界において、感動的な作品やCGを多用した作品が一般的ですが、このような日常の一コマを描いた作品もまた価値があると思います。
『セトウツミ』は、質の高いエンターテインメントを提供してくれたと感じており、心から感銘を受けました。

まだ鑑賞していない方には、ぜひ観ていただきたいと思います!