【ネタバレあり】漫画「黒執事」31巻の批評と感想。

はじめに

2021年9月27日に漫画『黒執事』の31巻が発売されました。

今回は、その感想と批評をネタバレも含めご紹介いたします。

感想・批評

さて、前の30巻ではファントムハイヴ家に仕えるメイド『メイリン』がヘッドハンティングをバッサリと断るスカッと展開で終わりました。
ほの暗いことをしていても深い所で繋がっているファントムハイヴ家の面々が眩しく感じます。

メイリンと向かい合うジェーンもなかなかの強敵なので、これは殺し合いを避けて通れないかも…と思ってしまいましたが、そこに現れたランマオによって強引に話が解決?
し、ほっとしました!

いくら殺しに慣れていたとしても、好きなキャラが手を汚すシーンは出来れば見たくありません。
ジェーンもかっこよくて素敵な女性でしたし、この先、物語のどこかに出てくるかもしれませんね!

この『黒執事』に登場する、男にも引けを取らない強い女性たちが大好きです。
イギリスの女性といえば慎ましい淑女のイメージが強いですが、作中の女性たちの危険も顧みず奮闘する姿は見ていて実に爽快な気持ちになり、勇気をもらえます。
男も女も平等に描く作者には好感を抱きますね。

さて、メイリンとランマオ編が終わり、お次はコックのバルドとラウのターンになります。
対照的な二人が組んだことで、どんな展開が繰り広げられるのかワクワクします。
潜り込んだ先は退役軍人の療養所であり、またしても闇が深そうです。
そこでは新たにエイダというこれまた強い女性とレイラという幼くも怪しい女の子、そして死神のロナルドが登場し、一筋縄ではいかないことが十分に見て取れます。

療養所では史実に基づいた描写や説明もあり、こういった歴史の勉強になる部分も黒執事のグットポイントだと感じました。

二人になった際にラウがバルドに放った非情な言葉。
メイリンの回がある意味穏やかに終わったので、一読者の自分も完全に平和ボケしており、横っ面をひっぱたかれたような気持ちになりました。
いつもにこやかで騙されますが、この男もマフィアのひとり。
残酷さが垣間見えましたね…。

まだ療養所の全貌は見えませんが、エイダや患者たちには生きて幸せになってほしいと思い、意外にも常識人であるバルドには感情移入してしまいます。

読んでいる人の中には早く伏線回収を望む人や、メインであるシエルやセバスチャンの活躍を見たいという人もいるかもしれません。
しかし、個人的にはストーリー展開がゆっくりでも、脇を固めるキャラのストーリーばかりでも全然問題はなく、むしろ美しい絵と芳しいストーリーをじっくり楽しめるだけで十分満足してしまいます。
読んでいる間だけ、自分自身も高貴で気高い人間になった気さえしてしまうので、もうとっくに黒執事という作品に魅入られてしまった一人なのかもしれません。

サブキャラの過去を知れるのは特別感があって嬉しいですし、31巻にして未だ謎な部分が多く残っているので、やっとこれが解明される…!
と子供のようにはしゃぎ心躍る自分がいます。

また、今回シエルの兄とアンダーテイカーの元に謎の男が現れました。
男が発した「死んでも執事」という言葉がとても気にかかります…。
過去に亡くなった描写があったあの人でしょうか…?
謎は深まるばかりですね。

今回も安定の面白さで、夢中で読んでしまいました。
漫画は絵と内容のどちらかが低クオリティだと読む気にならないのですが(HUNTER×HUNTERは例外)、『黒執事』は惚れ惚れとする絵に甘美で残酷なストーリー。
とにかくすべてのバランスが良く、クオリティが非常に高い作品だと思います。
読者のツボを押さえ、しっかりと応えてくれる。
かと思えば、謎だけ残して後はおあずけ…と、読み手のこちらまで心地よい飴と鞭でしつけられているような不思議な気分になります。
気になるところで終わっても決して嫌な気分にはならず、いつまでも待ちたいと思ってしまう魅惑の物語がクセになるのです。

バランスが良いといえば、作中の真剣なシーンとデフォルメで描かれるボケ具合もちょうど良いと感じます。
裏の残酷な事件などを描いているので、息が詰まるときもありますが、そんなときにひょこっとふざけたシーンが挟まれることで余計な力が抜け、物語を純粋に楽しむことができるのです。
この作者の心配りも流石!
の一言に尽きますね。

さて、また良いところで終わってしまった黒執事ですが、次巻ではバルドの過去篇が描かれ、ファントムハイヴ家に仕えるようになった理由が明かされそうですね!
バルドは元軍人ということもあり、どんな残酷なエピソードが待っているのだろう、と楽しみな気持ちとつらい気持ちでごちゃ混ぜになっています…。

この『黒執事』という漫画、30という冊数に到達してもテンポが良いために驚くほど飽きが来ません!

きっと最後の謎が解き明かされるまで、かじりついて読むことになるのでしょう。
その時が大変待ち遠しく、また残念でなりません。

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