【ネタバレあり】漫画「この音とまれ!」26巻の批評と感想。

25巻では久遠愛の過去の真相が明らかになり、その元凶の宇月と接触します。
26巻は、全ての解決まで話が進んでいきます。
そんな26巻について批評していきます。

25巻までのあらすじ

百谷名都や宇月の回想によって、宇月がどういう人間でどういう経緯で愛に心酔していったのかが明らかになりました。
その宇月と箏曲部が接触して、事態は悪化していきます。
そんな宇月を止めようと愛が頼み込みます。

ここからは26巻について掘り下げていきます。

26巻の内容、批評

26巻は、絶望している愛を鳳月さとわが助けにくる場面から始まります。
殴られそうになる愛を庇って抱きしめているさとわに対して、宇月が彼女でもないのにどうしてそこまでするのかと投げかけます。

それに対してのさとわの答えが、「好きだから 久遠のことが大っっ好きだから だから傷ついてほしくないし 絶対守りたいし 大事にしたいし いつも笑っててほしいし ずっと幸せでいてほしい 悪い? 何か文句ある? だから絶対離さない 離れない」と涙を流しながら伝えています。
今までのさとわの想いが全て現れているシーンで、勇気を出して発した言葉はグッときますね。

この言葉を聞いた愛は涙を流して愛の祖父の言葉を思い出します。
愛の祖父は愛に対して、幸せになってほしいという頼みごとをしていました。
今後どんな選択肢があって、誰かが手を差し伸べてくれるときに選択するのは自分だからという言葉を聞いたかのように、愛はさとわを抱きしめていました。
すぐに自分のことを諦めてきた愛が自分のことを考えて、幸せになりたいと思って、それを行動に表した素晴らしいシーンだと感じます。

勿論、抱き合っている二人を見て宇月は黙ってはいられません。
すぐに鉄パイプで殴りかかろうとしますが、そこに高岡哲生が助けに来ます。
それに続いて箏曲部の部員が集合します。

場面は変わり、宇月の回想です。
25巻の回想の続きで、愛の傍に行くようになった場面です。
今まで誰も自分のことを見てくれなかった宇月は愛だけが自分を見てくれると思い、自分の居場所は愛の隣なんだという認識になっていきました。
ですが、丁度その時期に愛の祖父が愛の素行を知り、家に連れ戻すようになります。
愛がたまり場に顔を出さなくなり、孤独になっている宇月に対し、我孫子が焚きつけるように愛に捨てられたと言い、それを聞いて宇月が壊れていきます。
ここから、愛の祖父の事件に繋がります。

場面は元に戻り、筝曲部が殴られている瞬間を動画に収めており、哲生は我孫子に対して降参を要求します。
ですが、それも想定済みの我孫子が殴りかかろうとしたその瞬間、哲生が腹に強いパンチをお見舞いします。

我孫子の行動を全て予想済みの哲生は事前に警察を呼んでおり、到着した警察によって宇月は連行されます。
その場に居合わせた宇月の弟の百谷名都が一緒にパトカーに乗り、一件落着です。
宇月と百谷の車内でのシーンはそれぞれの内に秘めていた思いが出てきて、切ない気持ちになりました。

学校に戻った筝曲部一同は顧問や校長から叱責ではなく、激励の言葉を受け取ります。
なぜかというと、事前に哲生が校長、教頭、顧問の力を借りていたことが判明します。
そのおかげか、教師陣は全力で筝曲部の全国大会をサポートしてくれることになりました。
それを聞いた部員一同は緊張が解けて安心したのか、涙を流して喜びます。
ここまで順当に物事が運んだのは哲生の功績がとても大きいですね。
今まで愛を遠くから見守っているような哲生が愛のために積極的に行動しているのには感動しました。

ひと段落して日常パートに戻ります。
さとわと来栖比呂が勉強会をしていると、さとわが愛に告白したことを明かします。
一見、二人だけの秘密かと思われましたが、証拠のために撮っていた録画を部室で大音量で流してしまい、さとわの告白部分が流れてしまいます。
自分のせいで部内の雰囲気を台無しにしてしまうと思っているさとわに対して、愛は笑顔で好きと伝えます。

次の日の朝練で、二人の関係がぎくしゃくして琴の練習がおろそかになると思いきや、普段通りいいムードで練習しています。
そのいいムードに拍車をかけるように、今まで朝練に来なかった百谷が朝練に来ます。

最後の場面では、曲名の「和」を部員みんなで掘り下げて深め合い、自分たちだけの曲に昇華させています。
部員全員の意見を取り入れて完成する「和」は今後どんな演奏になるのだろうと、ワクワクしています。

26巻の感想

26巻は問題が解決してスカッとする巻でした。
さとわと愛の関係も進展し、部員間の繋がりや雰囲気もより良いものになっているのが素晴らしいですね。
27巻はおそらく全国大会に向けて本格的に動き出していくので、ここからが本番のような気持ちになります。
27巻も楽しみですね。

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