【ネタバレあり】漫画「呪術廻戦」18巻の批評と感想。

2021年12月25日に呪術廻戦の最新刊である18巻が発売されました。

この記事では、18巻のネタバレを含めた感想・批評をまとめています。

さて、前の巻では「死滅回遊」という恐ろしい殺し合いゲームについて語られ、覚醒した禪院真希の手によって禪院家に幕が下ろされました。

この18巻では、呪術師たちと戦う前に虎杖と伏黒が「秤金次」という男の協力を得るため会いに行きます。

メインの場所となるのは駆け試合を行っているファイトクラブで、序盤から場を象徴するようなゴツい男が登場します。

最初の解説部分に意図的なハンターハンター味を感じ、これからついていけるか不安になりますが、やはり試合と聞くと純粋にワクワクしてしまいます!

いざ試合が始まり、虎杖の相手となるのは仲間であるパンダ先輩でした。

どんなバトルが始まるんだろう!と期待しましたが、そこは同じ目的を持つ者同士。
あっさりと終了して、少し残念でした!

しかしこのパンダ先輩が登場してくれるだけでどこか場が和むというか、残酷な展開が続く中の唯一の癒しに感じますね。

パンダ先輩と虎杖の試合は終わり、今度はパンダ先輩と伏黒でタッグを組んで綺羅羅の術式へと挑みます。

相変わらず理解が難しい(私だけ…?)バトルが繰り広げられます。
ちゃんと解説もあるのですが、いかんせん右から左へと流れてしまいます…。
もっと単純だと没入することができるのですが、残念です。

そして虎杖は本巻のキーパーソンである「秤金次」の元へ。

秤は「熱」にこだわるなかなかに強烈な男で、物語を動かしそうな「異質」さがあります。
そして3年の東堂に似たような印象を抱きました。

主人公の虎杖はまっすぐな人間なので、どこか変わった人間に惹かれるんだろうなと思っていたら案の定気に入られましたね!

しかしそんな虎杖が自身のことを「部品」に喩えたシーンには驚きました。
主人公とはいえ、そばには自分より強い五条先生や先輩たちがいる。
自分の体には宿儺という強大な力があるが、決して自分本来の力ではない…。
無力な自分を思い知るたびに悔しい思いをしてきたんだと思います。

虎杖はまっすぐなだけじゃない、自分や周りを客観的に見られる“クール”さも併せ持っているところに好感が持てます。

実直さとクール。
この両方を抱えながら残酷な世界をどう生きていくのか、楽しみでもあり不安でもあります。
けれどなぜか虎杖ならやってくれる!大丈夫!だと思えてしまうのが不思議。

そして秤ですが、芯の通ったエネルギッシュな人間で、仲間になると一気に頼もしく感じられます。
また、五条先生や乙骨に認められている人物でもあるので、これからの活躍に期待です!

ちなみに最初の舞台はファイトクラブでしたが、次々と現れる難敵とバトル…!という熱い展開にはならず。
いや、大事な死滅回遊が待ってますしね。
仲間に入れるのが目的だしねと納得しましたが、ハンターハンターが好きなのでやっぱり見たかったなあ、と。

そしてこの巻では新たに「死滅回遊」に参加する敵になりそうなキャラも続々登場。

いきなり殺人シーンから始まった鹿紫雲一はおそろしく、和解は難しそうです…。

一方弁護士である日車寛見は人を救いたいという誠実で純粋な心を持っていたからこそ受けた絶望も大きく、闇へと落ちてしまった人物でした。
良い人が残酷な現実にぶつかり、歪んでしまうシーンはいつもやるせない気持ちになります…。

それぞれちゃんとしたバッググラウンドがあるので、一概にこの人は悪だ!と一蹴できないのがある意味辛いです。

呪霊でも呪詛師でもない元一般人たちがこれからどう虎杖たちに絡んでくるのか、興味深いですね。

そして久しぶりすぎて忘れかけていたオカルト研究部のメンバーも登場!
虎杖はもうすっかり呪術師の面々に馴染んでいたので、正直もうオカ研が出ることはないと思っていました。
しかし、過酷な争いが続く中でこうやって普通の人間が出ると安心するというか、和みますね。
そして佐々木君は大事な局面で物語を動かしそうな気配があります。
この作者ならばどこかで無残に殺しそうですが…。

最後の伏黒の「自分で100点を集めてもいい」という言葉。
どうも闇に落ちそうで怖いです。
父の禪院甚爾がなかなかの暴君だったので、そうならないことを祈ります!

未だ野薔薇や五条先生は出ず、一抹の不安が残ります。

夏油と虎杖の母、そして宿儺の秘密などでこんがらがっており、一度読んだだけではよく理解ができません。

もはや気軽に読める漫画ではなくなり、どんどん物語は複雑さを増していきます。
熱く難解なバトルから登場人物たちの繊細な心の揺れを感じ取れる回でした。
ちなみにこの巻では誰も犠牲になる事はありませんでしたが、着実に夏油の舞台は整っています。
そして始まった死滅回遊。
デスゲームのルールがややこしく、自分のような人間はだいぶ置いてけぼり感が強いですが、人物たちの心情に注目して読み進めたいと思います。

現在、映画も大人気の「呪術廻戦」。
この広がったストーリーがどう収束していくのか、今後に注目です!

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