日本にはさまざまな名作漫画がありますが、その中でも改めて注目を集めているのが漫画「犬夜叉」です。
漫画としての連載は1996年から2008年までなのでやや古い作品ではあるのですが、最近ではグッズも続々と登場しています。
今回はそんな漫画「犬夜叉」の名言を名シーンと共にご紹介していきたいと思います。
「かごめはかごめだ…おまえのかわりはいねえ」
漫画「犬夜叉」では桔梗の復活後、犬夜叉と桔梗がふたりで会っているところをかごめが目撃してしまうといったシーンが多く出てきます。
その結果、かごめが不機嫌になってしまったり、落ち込んでしまったりするのですが、このシーンでは犬夜叉がかごめに対して正直な気持ちを打ち明けます。
ご存知のように、桔梗は犬夜叉のかつての恋人です。
お互いに誤解はあったものの、犬夜叉は桔梗の死に責任を感じています。
だからこそ、桔梗を放っておくことはできません。
ここで「今好きなのはおまえだ」と伝えることもできたのかもしれませんが、犬夜叉にとっては桔梗もかごめもどちらも大切な存在です。
だからこそ、「かごめはかごめだ…おまえのかわりはいねえ」という言葉になったのでしょう。
かごめは桔梗の生まれ変わりでもあります。
自分の存在についていろいろと考えるところもあったかごめにとっては、ある意味では救いになった言葉なのではないでしょうか。
犬夜叉の態度にやきもきしていた方も、この言葉には思わず納得してしまったはずです。
「うん…私は桔梗にはかなわない。だって私は…生きてるから」
奈落からの襲撃を受けて、犬夜叉は真っ先に桔梗を助けに行ってしまいます。
もともと桔梗に対しては複雑な思いを抱いていたかごめですが、改めて犬夜叉にとって特別な存在である桔梗に嫉妬していることに気が付きます。
同時に、嫉妬するほどまでに犬夜叉のことを好きになっていることにも気づき、その気持ちを素直に犬夜叉へ伝えるのでした。
犬夜叉には桔梗と一緒に生きてきた時間がありますが、同じようにかごめと一緒に生きてきた時間もあります。
いじらしいかごめの乙女心というか、女心が伝わってきます。
「りんの命と引きかえに得るものなどなにもない!」
これはもう個人的には漫画「犬夜叉」の中でもナンバーワンの名言&名シーンだと思っています。
犬夜叉の兄である殺生丸は天生牙の修業のために、冥界へ向かいます。
ただ、そこでりんが命を落としてしまうのです。
もともと冷酷無慈悲な性格だった殺生丸を変えたのは、間違いなくりんです。
そのりんが殺生丸にとって特別な存在になっていたということがよくわかるシーンです。
強さを求めていた殺生丸にとって天生牙というのは重要な武器ですが、りんが死んだことによってその天生牙を「こんなもの」と捨ててしまうのです。
殺生丸は漫画「犬夜叉」の中でも屈指の美形キャラなので最初からファンは多かったのですが、このりんを愛おしむ姿を見て、より殺生丸を好きになったという方も多いはずです。
「わしはただ…桔梗の心が欲しかった…」
犬夜叉一行にとっての敵というのは、奈落一派です。
その奈落というのは、もともと鬼蜘蛛という野党でした。
鬼蜘蛛が負傷したときに手当をしてくれたのが桔梗で、鬼蜘蛛は桔梗に恋心を抱くのですがそれがいつしか嫉妬や憎悪へと変わってしまいます。
そして鬼蜘蛛は奈落となり、恋心を抱いていたはずの桔梗とも敵対してしまうわけです。
最期のときに、「わしはただ…桔梗の心が欲しかった…」と桔梗のことを思い出している奈落は少し可哀想でした。
純粋な恋心だったものが嫉妬や憎悪によって執着に変わってしまった……現代で言うところの壮大なストーカーではあるのですが、誰もが一歩間違えると奈落のようになってしまう可能性を持っているのかもしれません。
ちなみに、同じシーンで「あの世でも桔梗 おまえと同じ所には…行けそうもないな」という奈落の言葉もあるのですが、この言葉と合わせて考えると本当に胸がぎゅっと苦しくなります。
「犬夜叉ごめんね…待っていてくれた…?」「かごめ…バカ野郎…今までなにしてたんだ」
奈落との戦いが終わった後、犬夜叉はかごめと一緒に現代に戻ります。
しかしながら、なぜか犬夜叉だけが戦国時代側へと引き戻されてしまい、それっきり井戸が戦国時代につながらなくなってしまうのでした。
かごめは何度も井戸を見に行くものの戦国時代には行けず、そのまま3年間を過ごします。
普通の高校生活を送っていたものの、やはりかごめは犬夜叉を忘れることはできませんでした。
そして、かごめが犬夜叉に会いたいと強く願ったとき、かごめはまた犬夜叉のいる戦国時代へと帰ることができたのです。
そのときのかごめと犬夜叉の言葉なのですが、お互いがお互いを待っていたことがよく伝わってきます。
3年間の空白があったものの、ふたりの絆がより強いものになっていたことを象徴する名シーンです。
「私の子を産んでくれんか」
この言葉は犬夜叉一行の弥勒のセリフなのですが、漫画「犬夜叉」の中では本当に頻繁に出てきます。
とりあえず年頃の娘さんが出てくると弥勒はこの言葉で口説くので、弥勒に想いを寄せている珊瑚は不機嫌になることがとても多かったのです。
ただ、最後の最後で弥勒と珊瑚は結ばれます。
弥勒のこの「私の子を産んでくれんか」が結果的に珊瑚へのプロポーズの言葉となり、奈落との戦いが終わったその後、弥勒と珊瑚は子宝に恵まれます。
こういう遊び人的なキャラクターほど本命の女性にはなかなか本気のアプローチができませんし、珊瑚は珊瑚で散々泣かされてきました。
時々、弥勒の珊瑚への本心が漏れてしまうこともありましたが、正面から珊瑚と向き合い、ふたりが想いを確かめ合ったこのシーンは間違いなく名シーンでしょう。
「お義兄さーん!」
かごめは戦国時代で犬夜叉と共に生きることを決めます。
要は犬夜叉と結婚するわけですが、そうなってくるとかごめにとって殺生丸は義理の兄になります。
犬夜叉と一緒に歩いているとき、上空を通りがかった殺生丸に、かごめは躊躇なく「お義兄さーん!」と声をかけます。
もちろん、殺生丸はこの呼びかけに対してものすごく嫌な顔をします。
一緒にいた犬夜叉も「すげーヤな響きだった」と言っており、笑えるほうでの名シーンになっています。
一種のギャグシーンのように思われがちなのですが、改めてこのシーンを見ていると現代ではなく犬夜叉と共に戦国時代で生きることを選んだかごめ、殺生丸のりんへの愛情など漫画「犬夜叉」の連載がスタートしたときとはまったく違う景色が広がっていることに気づかされます。
戦国時代ではあるものの、そこに広がっている優しい世界に「ああ、犬夜叉も終わってしまうんだなぁ……」と嬉しいような悲しいような不思議な感覚になってしまいます。
そういった意味でも、やはり名シーンと言えるのではないでしょうか?