【ネタバレあり】漫画「ぐらんぶる」18巻の批評と感想。

17巻では沖縄旅行で毒島桜子が登場し、ハプニング続きでした。
18巻は、沖縄旅行の後始末が襲ってきます。
そんな18巻について批評していきます。

17巻までのあらすじ

宝くじで30万円が当たり、同じダイビング部で血のつながりのない従兄弟である古手川千紗と沖縄旅行に行く北原伊織。
そんな伊織に好意を寄せる同じ部活の𠮷原愛菜は3次元に興味がない今村耕平と沖縄についていきます。
ところが、伊織のバイト同僚の毒島桜子が現れ、一行と行動を共にします。

ここからは18巻について掘り下げていきます。

18巻の内容、批評

ダイビング部の飲み会シーンから始まります。
千紗の姉の古手川菜々華は妹の千紗を溺愛しており、千紗が菜々華に内緒で伊織と旅行をしたことで、菜々華の怒りは爆発寸前です。
飲み会のゲームで伊織に対し、千紗とのあれこれを暗に聞き出そうとします。
生命の危機に瀕した伊織の脳は時間を圧縮してフル回転し、この場を切り抜ける術をあらゆる視点から検討しましたが、結局土下座をしました。
そこで怒られると思いきや、菜々華は潰れてしまい、伊織は助かった形となります。

絶体絶命で脳がフル回転する描写がとても面白く、結局土下座というのも伊織らしいですね。

場面は変わり、ダイビング部の先輩が悩んでいるシーンです。
伊織が何に悩んでいるのか聞き出すと、声優の水樹カヤの結婚祝いについて悩んでいました。
耕平は水樹カヤが大好きで、これを聞いて血を出して倒れてしまいます。
水樹カヤの結婚発表で死にそうになっていたので当然の反応です。

耕平は腹をくくって水樹カヤの結婚を真剣に祝うことにします。
一時期は結婚に反対していた耕平が自分レベルのファンが祝福することで、結婚を幸せなものと思ってほしいという男気のある決意表明をしたのはかっこいいですね。
もちろん、このままでは日常生活に支障をきたすので、アニメ好きを克服させる方法を探します。
結局記憶を飛ばそうとスピリタスを数本飲ませましたが、上手くいきませんでした。

スピリタスの量を倍にしても、時間を置いてリトライしても耕平の記憶が飛ばせず、水樹カヤの写真の前で悲しんでいます。
方法を探していく中で、愛菜が千紗の部屋にあった催眠療法の本を持ってきます。
これが効くのかにわかには信じがたいですが、本には「思い込みの強い人」、「何かに没頭しやすい人」、「天然な人」に効果的と書いてあり、耕平の特徴と一致します。
そしてここから催眠療法が始まります。

まず、リラックスさせます。
伊織が耕平の好きなアニメグッズを用意しますが、全くリラックスしません。
さらに限定グッズを用意しますが興奮しすぎて逆にリラックスしません。
結局、瞑想をして、何やかんやトランス状態に持ち込めました。
さらにリラックスさせるためにプールに浸からせ、波の音と海の映像を見せてトランス状態が解けないようにします。
耕平のこのシーンが非常にシュールでいいですね。

水樹カヤを祝いたい気持ちが葛藤している耕平に、どうして結婚を祝えないのか聞いてみると、「憧憬と思慕、それと結婚相手への確かな殺意」と本心が漏れるのがいいですね。

最終的に伊織は、忘れさせるより、一時的に好きなものを置き換える案を出します。
発案者の伊織がロウソク一つ持って耕平に催眠をかけます。
耕平との対話の中で、好きなものがあるかを聞き出し、それをこれからもずっと好きで入れるように他のことに目を向けさせます。
そこで、「二番目に重要なもの」を思い浮かばせます。
「最も身近なもの」、「生活の中心を占めるもの」でも構わないと言い、具体的にイメージさせたところで、それを「一番好きだったもの」の代わりに好きになると暗示をかけます。

催眠は失敗したかと思いきや、耕平はまるで推しを見つけたかのように愛菜に急接近し、最高の笑顔で愛を伝えました。
沖縄旅行でずっと一緒にいたので、「生活の中心を占めるもの」で愛菜を思い浮かべてしまい、結果的にアニメへの想いが愛菜への想いに置き換わる形となりました。

まさかの展開でびっくりしてしまいました。
今後の2人の関係がどうなるのか楽しみですね。

催眠セットを片付けているときに、海が好きな千紗にこのままがいいのではと伊織が言うと、千紗は「今は海より伊織のほうが大切だから」と言います。
何が起こったのかというと、「思い込みの強い人」、「何かに没頭しやすい人」、「天然な人」の全てに当てはまる千紗が「最も身近なもの」である伊織を思い浮かべてしまい、海への想いが伊織への想いに置き換わってしまいました。

誰もが予想できない緊急事態です。
今まで仮のカップルとして過ごしていましたが、ツン200%でした。
そんな千紗が伊織に対してデレている姿は素晴らしい反面、少し怖いですね。

18巻の感想

全体的に急展開続きで笑いどころ満載でした。
特に最後の催眠療法のシーンでは予想してない展開だったので、何回も読み直しちゃいました。
19巻では耕平と愛菜、伊織と千紗の2組がどうなっていくのか、伊織は無事でいられるのかが楽しみですね。