漫画「ゴールデンカムイ」はすでに完結した作品ですが、まだまだその勢いは衰えません。
仕切り直しとなったアニメの4期を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?
今回はアニメをこれから視聴する方のためにも、原作である漫画「ゴールデンカムイ」作中に登場する名言を名シーンとともに改めてご紹介していきたいと思います。
「人間を殺せば地獄行きだと?それなら俺は特等席だ」
まずは漫画「ゴールデンカムイ」の主人公である杉元佐一の名言からです。
人を殺した熊は地獄に行くというアシリパの話を聞いて、日露戦争でのことを思い出しながら杉元が心の中でつぶやいたのが「人間を殺せば地獄行きだと?それなら俺は特等席だ」というセリフです。
杉元の覚悟が感じられるセリフですし、この後にご紹介するアシリパのセリフと対になることでより重みが増してくるものでもあります。
「私は杉元佐一と一緒に地獄へ落ちる覚悟だ」
これは漫画「ゴールデンカムイ」のストーリーがかなり進んでからのアシリパのセリフになります。
もともとアシリパは殺さないといういわゆる不殺を貫いていました。
ただ、アシリパは相棒である杉元を守るためなら例え地獄に落ちようとも人殺しになる覚悟を持っており、それを実際に終盤で行動に移します。
連載当時は複雑な気持ちになってしまった方も多いでしょう。
個人的にこのセリフは先でご紹介した杉元の「人間を殺せば地獄行きだと?それなら俺は特等席だ」というセリフと対になっているものだと思っていますし、杉元とアシリパのつながりの強さを再確認できるセリフでもあります。
「お前らは樺太でやっと再会できたのに離れたままだ!!」
杉元とアシリパが離れ離れになった後、ようやく再会したというのにふたりはそれぞれの考え方のせいですれ違ってしまいます。
それを見かねた白石由竹が言った「お前らは樺太でやっと再会できたのに離れたままだ!!」というセリフは、本当に名言だと思います。
普段は役立たずと言われることの多い白石ですが、本当に大事なところではしっかりといい仕事をします。
しかも、べろべろになった状態でこういうセリフを言うのがいかにも白石らしいです。
「私のことは私が決める」
樺太脱出編でアシリパの言った「私のことは私が決める」というセリフもシンプルではありますが、名言のひとつです。
すれ違っていた杉元とアシリパが再び同じ方角へ向かって走り出すというまさにその瞬間のセリフです。
このときに杉元とアイコンタクトでしっかりとやり取りができているのもぐっと来ます。
もともとアシリパは中身がとても大人ですが、アシリパの持っている強さやこれまでの旅の中での成長を感じさせられますし、改めてアシリパのように強く生きていかないといけないなと考えさせられます。
「わからないことをカムイのせいにして考えることをやめるのは良くないことだ」
北海道の山中でヒグマらしき姿を見つけ、探してみるものの熊の足跡すら見つからないという状況の中で杉元が思わず山の神様が怒っているというようなことをこぼしてしまいます。
それに対してアシリパは「わからないことをカムイのせいにして考えることをやめるのは良くないことだ」と返すのですが、これもストレートに刺さる名言です。
成長したアシリパだからこそ言えるセリフでもありますし、責任転嫁ばかりで考えることを放棄してしまった現代人だからこそより強く噛み締めるべき名言だと思います。
「一発で決めねば殺される 一発だから腹が据わるのだ」
「一発で決めねば殺される 一発だから腹が据わるのだ」は二瓶鉄造が熊を狩るシーンでの名言です。
二瓶の狩りへの美学が詰まった名言でもあります。
生き方や考え方としてカッコイイのはもちろんですが、狩りの対象となる動物への敬意が感じられます。
これくらいの覚悟を持って生きたいものです。
ちなみに、二瓶は作者である野田先生のお気に入りのキャラクターだそうです。
「好きな人には自分の好きなものを好きになって欲しいもんねぇ」
海賊房太郎が一時的に仲間入りをして、札幌へ向かっているときにチョウザメを捕獲し、捌くエピソードがあります。
捕獲したチョウザメから脳みそを取り出しているアシリパに房太郎がチョウザメの脳みそが好きなのかと問うとアシリパは当然の如く、動物の脳みそなら何でも好きだと答えます。
それを聞いた房太郎は優しく微笑みながら「好きな人には自分の好きなものを好きになって欲しいもんねぇ」と言うのです。
この後、アシリパが耳を真っ赤にするのが本当に可愛らしくて、連載当時は胸がキュンキュンしたという方も多いのではないでしょうか?
「房太郎、よくやった!」「房太郎、もっとやれ!」と思った方もいることでしょう。
本当にいろんな意味で名言&名シーンです。
「生きちょりゃよか」
樺太脱出編では鯉登音之進と杉元のバトルがあり、音之進は杉元の攻撃を受けてしまいます。
その後、音之進は海軍の駆逐艦で手当てを受けることになるのですが、そのときに父親である鯉登平二に弱音を吐いてしまいます。
平二は周りをキョロキョロと確認し、誰もいないとわかると「生きちょりゃよか」と声をかけるのです。
時代背景的にも、平二の立場的にも本来であれば口にはできない言葉だと考えると、本当にぐっと来ます。
特に、鯉登親子はお互いがお互いのことを思っているのがよくわかるので、何気ないセリフにもしっかりと深い愛情が感じられます。
「恋をしたから脱獄することにした」
かつて収監されていた白石は同房の画家で偽札犯の熊岸長庵の描いた絵の女性・シスター宮沢に恋をし、彼女を求めて前橋監獄、金沢監獄、秋田監獄、京都府監獄など全国各地の監獄に服役しては脱獄を繰り返していました。
その結果、白石は「脱獄王」と呼ばれるようになったのですが、このエピソードの中で「恋をしたから脱獄することにした」というインパクトのある名言が登場します。
アホっぽくて白石らしさ全開のエピソードなのですが、白石が愛おしく感じられます。
ちなみに、このエピソードは「恋をしたから脱獄することにした」というタイトルでOAD化されており、シスター宮沢の声を島本須美さんが担当されています。
「このマタギ……すけべ過ぎる!!」
最後にご紹介するのが漫画「ゴールデンカムイ」ではもはや伝説となっているラッコ鍋の話です。
ラッコ鍋の回は広告にも使われていたので、見たことのある方も多いでしょう。
ラッコ鍋の部分だけ絵のタッチもよりいっそう熱気あふれるものとなっており、そこで登場するのが白石の「このマタギ……すけべ過ぎる!!」というセリフです。
杉元の「どう見てもシライシが……色っぽい……」というセリフもあるのですが、やはり谷垣源次郎のボタンがはじけ飛び、そこから見える胸板と胸毛、そこで白石の「このマタギ……すけべ過ぎる!!」というセリフのコンボに勝るものはないでしょう。
作画、セリフ、効果音も含めてすべてを最高潮に仕上げてきた野田先生には脱帽です。
ゴールデンカムイらしさが全開の名言&名シーンであり、迷言&迷シーンでもあります。
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