【ネタバレあり】漫画「ゴールデンカムイ」31巻(最終巻)の批評と感想。

アニメの4期に実写映画と「ゴールデンカムイ」の勢いはまだまだ衰えません。

その一方で、原作の漫画「ゴールデンカムイ」は31巻で最終巻を迎えました。

連載をリアルタイムで追っていたという方も最終巻が出るのを待っていたのではないでしょうか?

実際に、単行本での加筆だからこそ味わえる感動もありました。

今回は漫画「ゴールデンカムイ」の最終巻である31巻についてお話ししていきたいと思います。

ネタバレありなので、ご注意ください。

牛山のかっこよすぎる最期

漫画「ゴールデンカムイ」には本当にたくさんのキャラクターが、それも魅力的なキャラクターが登場します。

そのひとりが牛山です。

牛山はアシリパのことを「お嬢」と呼び、アシリパは牛山のことを「チンポ先生」と呼ぶ関係でした。

そんな牛山とアシリパのことはもちろん、このふたりの関係性も個人的に大好きでした。

31巻の暴走列車の中でも圧倒的な強さを見せる牛山だったのですが、そこに月島が手投げ弾を投げつけます。

その手投げ弾が隠れていたアシリパのもとへ投げ出されてしまい、アシリパは無事だったものの、牛山は左腕が吹き飛ばされてしまいます。

そんな状態でも牛山は「お嬢…怪我ないか?」とアシリパのことを心配し、そのまま旅立っていきました。

このときの「あなたの完璧はいつだった?」という回想シーンと「いまだよ…いま」というセリフは、本当に名シーンだと思います。

土方から杉元へのバトン

鯉登少尉と土方の戦いもすさまじいものでした。

どちらも大好きなキャラクターなのですが、結果的には鯉登少尉の刀が土方の頭に食い込むことに……ただ、そこで終わらないのが土方です。

脳へのダメージの影響なのか、土方がバーサーカー状態になり、ヒグマから何から切り裂いていきます。

ここで新選組時代の姿が脳裏に駆け巡るというのも粋な演出です。

そこに杉元がやってきて、いつものように兵士たちを倒していきます。

その杉元の姿にかつての自分、若かりし頃の自分を重ね、「持っていけ…きっと役に立つ」と土方は杉元に自らの剣を託すのです。

剣というのはまさに命そのものとも言えます。

ここでのバトンの受け渡しは、本当に胸を揺さぶられました。

アシリパの覚悟

最終巻に至るまで、また最終巻の中でもアシリパは苦しそうな表情をするシーンが多かった気がします。

表現するのが難しいのですが、アシリパが溶け出すような、アシリパから何かがにじむような描写もありました。

ただ、最終巻ではアシリパが覚悟を決めるシーンも見られます。

「私は杉元佐一と一緒に地獄へ落ちる覚悟だ」という言葉がすべてを表しています。

このとき、アシリパは矢を放っているのですが、この矢というのは今まで放ってきた矢とはその意味も質も大きく異なります。

また、それを見たときの杉元の表情も話題になりました。

とうとうアシリパの手を汚させてしまったという罪悪感、ようやく本当の意味での相棒になれたのではないかという安堵感……人によって感じ方はさまざまでしょうが、これまでのふたりが歩んできた道を考えれば一言で表現できないのは当たり前と言えるでしょう。

アシリパと杉元が食べた干し柿

すべてが終わった後で、アシリパと杉元が干し柿を食べるシーンが出てきます。

アシリパは「杉元も干し柿を食べたら 戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」というかつてのやり取りを思い出しながら、「干し柿食べて何か変わった気がするか?」と尋ねます。

それに対して、杉元は「変わらなくて良いと思うよ」と答えました。

結局のところ、杉元は今までのことを全部忘れることなく、背負って生きていくという選択をしたわけです。

個人的にもこのふたりはずっと一緒にいてほしいと思っていたので、少し背の伸びたアシリパと杉元の後ろ姿を見たときは本当によかったと胸をなでおろしました。

最後の最後でおいしいところを持っていった白石も、本当にいい仕事をしました。

マッカーサーの写真にいたあの人

連載時は白石がオチとなっていましたが、単行本のほうでは加筆があり、最後の最後でマッカーサーに関するエピソードが出てきます。

なぜここでマッカーサーが……?と思った方もいるでしょうが、実はマッカーサーの写真をよく見てみると鶴見中尉らしき人物が確認できるのです。

鶴見中尉の生死が気になっていた方は多いかと思いますが、こういう形で鶴見中尉が生きていることが示されたのは大きいでしょう。

仮に単行本での加筆がなくとも漫画「ゴールデンカムイ」は作品として完成していたと思いますが、こういった加筆によって作品としての完成度がより高まったという印象です。

リアルタイムで漫画「ゴールデンカムイ」を追える時代に生まれてよかったなと心から思いました。

作者の野田先生にも感謝です。

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