【ネタバレあり】漫画「ゴールデンカムイ」29巻の批評と感想。

漫画「ゴールデンカムイ」も少し前に連載のほうで最終話を迎えました。

ただし、2022年5月時点で単行本としての最新刊は29巻になります。

今回はその漫画「ゴールデンカムイ」29巻について、語っていきたいと思います。

ネタバレありですので、ご注意ください。

五稜郭に皆が集結!

漫画「ゴールデンカムイ」はこれまでのストーリーの中でもかなりの盛り上がりがあったかと思いますが、五稜郭に皆が集結したこれからが本当のクライマックスです。

杉元陣営も土方陣営も、もちろん鶴見中尉の陣営も集まってきています。

そこに助っ人のソフィアたちもやってくるのですから、否が応でも高まってしまいます。

探しているものは五稜郭にあり、あとは五稜郭のどこにあるのかというところまで来ています。

土方の「神」の刺青

個人的にも大好きな土方なのですが、五稜郭のどこにあるのかというところで土方の「神」の刺青が鍵になってきます。

土方も普通に考えれば「おじいちゃん」と呼ばれてもおかしくない年齢だと思うのですが、鍛え上げられた肉体が色っぽいです。

かっこよすぎます……。

土方の「神」の刺青が指し示す場所を掘ると、そこに厳重に保存されていた何かが見つかります。

それは金塊ではなく、北海道の土地の権利書でした。

アシリパは目を輝かせるのですが、金塊を探し求めていたメンバーはずっこけてしまいます。

このあたりの対比も面白かったです。

永倉の演技

基本的にゴールデンカムイはおかしなキャラクターしか出てこない作品だと言っても過言ではないのですが、その中でも永倉は比較的常識人である印象でした。

ただ、ここに来ていい味を出してきました。

永倉がひとりで鶴見中尉のもとへ行き、命乞いをするのです。

「裏切ったのか!?」と思わせておいて、実はまったく降伏する気はなく、むしろ闘志をみなぎらせていました。

狂気を感じられるシーンでもあったのですが、同時にかっこいいとも思いました。

年齢を感じさせない動き、強さはやはり魅力的です。

相変わらず肝心なところでいい仕事をする門倉

門倉も大好きなキャラクターのひとりなのですが、門倉はこれまでのストーリーの中でも肝心なところでいい仕事をしていました。

今回も門倉がいい仕事をしてくれます。

さすが強運の男です。

あってもなくてもいいという扱いだった門倉の「馬」の刺青が土方に閃きをもたらします。

というのも、そこはかつて古い馬用の井戸があった場所を指していたのです。

土方だからわかった場所と言えるでしょう。

そこを掘ると、金塊が出てきました。

門倉は本当に強運すぎて笑うレベルです。

白石と並ぶくらいギャグ要員として欠かせない存在です。

土方とアイヌがつながったときの感動!

これまでのストーリー巣を考えるととようやく金塊が見つかった感動もあるのですが、個人的には土方とアイヌがつながったときの感動のほうが大きかったです。

というのも、土方は昔アイヌに命を救われているのです。

それをアシリパの父であるウイルクも知っていて、それが馬用の井戸につながってくるわけです。

アイヌからウイルクに、ウイルクから土方に、土方からアシリパに……とすべてがつながったときの感動は、本当に鳥肌ものです。

土方がここにいて、なおかつアシリパもここに残る選択をしたからこそすべてがつながったと思うと、感慨深いものがあります。

金塊を見つけたときの表情

とうとう金塊を見つけたときのアシリパの表情は、ネットでも話題になっていました。

晴れやかで、アシリパを愛おしむような優しい杉元の表情に対して、アシリパは何とも言えない表情をしています。

このときのアシリパの表情にはいろいろな思いがこもっているのでしょう。

これで杉元との旅が終わってしまう悲しさもあるでしょうし、金塊を手にすることで杉元がまた危険にさらされるのではないかという不安もあったのかもしれません。

杉元への思いがあるからこそ、アシリパの切ない表情が胸にぐっと来ます。

杉元とアシリパの表情を対比させるように描くシーンというのはこれまでも多かった気がするのですが、ここでの杉元とアシリパの表情の対比もかなり印象的でした。

安定の鶴見劇場

そして、忘れてはいけないのが鶴見中尉の存在です。

29巻でも相変わらずのハイテンションで、鶴見劇場を繰り広げてくれます。

連載時のときから修正もあるので、比較してみるのも面白いと思います。

もともと作中の中でも特にぶっ飛んだキャラクターと描かれているので、あまり影響がないという方もいるかもしれませんが、おそらく修正後のほうが鶴見中尉への印象もちょっとよくなるのではないでしょうか。

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