【ネタバレあり】漫画「極主夫道」12巻の批評と感想。

2023年7月7日に発売された「極主夫道」12巻。

主夫を極めようと日々奮闘する元ヤクザ・龍と、彼を取り巻く周囲の人が織りなす任侠コメディは、12巻でも安定の笑いをくれました。

この記事では、そんな「極主夫道」12巻の批評と感想をネタバレ込みでお届けします!

「極主夫道」12巻の感想

今回もブレない面白さを届けてくれた「極主夫道」12巻。

近くに住む小学生との草野球、交通ルールのマナー講習、年末の大掃除と、龍は相変わらず多忙な主夫として奔走しています。

草野球もマナー講習も大掃除も「主婦・主夫なら一度は経験しそうな普通のイベント」ですが、龍が参加すると途端に愉快なイベントになるから不思議です。

なお、今回も準レギュラーの脇役がまんべんなく登場し、物語に良いスパイスを加えてくれました。

もちろん、準レギュラーのなかでもひときわ登場回数が多い雅も絶好調。

YouTuberになって冴えない食レポを披露したり、何となく気分が沈んで抜群にうさん臭い占いに行ってみたりと、12巻でも雅の持ち味である行き当たりばったりの生き方が光っています。

また、個人的に驚きだったのが雲雀姐さんの私生活。

雲雀姐さんは酉井組の故・組長の妻だったので、今なお良い暮らしをしているのかと思っていましたが、意外と庶民じみた古アパートに住んでいましたね。

普段は着物でキメている雲雀姐さんの部屋着姿も珍しく、デカデカと「I ♡ CATS」と書かれたパーカーを着ているのがダサ可愛かったです。

「極主夫道」12巻の内容と見どころ

ここからは「極主夫道」12巻のなかで、特に面白いと思ったエピソードをピックアップして紹介します。

正木とでこすけ

「極主夫道」12巻では警察官・正木と、警察マスコットキャラ・でこすけが新キャラとして登場しました。

正木とでこすけは交通ルールのマナー講習を開き、龍たちに安全第一の大切さを伝えます。

しかしこの正木という男、警察官なのか悪役なのか判断に迷うほどの変人…!

正木は交通事故例を見せるとして、手を上げて青信号を渡っていたでこすけを、ためらうことなく全速力のパトカーで轢いたのです。

勢いよく吹き飛ばされるでこすけは完全に「交通事故」であり、もはや「事故例」ではありません。

「安全などこの世に存在しなぁい!」と言いながらニヒルな笑みを浮かべてでこすけを狙う正木は、正直警察官に見えませんでした。

なお巻末のおまけ漫画でも、正木はでこすけの中の人に向かってチャリで特攻をかましていて、何か個人的な恨みでもあるのかと思うほど。

「極主夫道」に登場する警察官はこれまでも少し様子がおかしい人が多かったですが、正木はその中でもぶっちぎりのクレイジーさで、圧倒的存在感を放っています。

堅木町民VSスターボックス

龍たちの住む田舎町・堅木町に満を持してオープンしたカフェ。

それが、どう考えてもスターバックスを意識して描かれたであろう「スターボックス」です。

できたばかりのお洒落なカフェに行ってみたい!と、さっそくスターボックスに乗り込む龍たち堅木町民。

しかし、昔ながらの喫茶店・仁義亭しか知らない龍たちは、横文字だらけのスタボメニューに悪戦苦闘します。

確かに、ちょっとお洒落なカフェはメニューが複雑で、注文の難易度が高いことが多いですよね。

「サイズは」「トッピングは」と聞かれてよくわからないときは、龍のように「トッピング全部乗せで!」と言えばいいのかもしれません。

スタボに惨敗する龍たちには共感する部分が多く「わかる」「あるある」と思いながら読めた回でした。

皆でハッピーバレンタイン!

バレンタインスイーツを一緒に手作りすることにした美久と虎春。

しかし忘れてはいけないのが、虎春はともかく美久の料理の腕前は殺人級に下手であるということです。

今回も不要な怪力とアイデア力で、美久は力作・ロシアンルーレットチョコを作りました。

龍と虎を呼んで、自分たちが作ったスイーツを振る舞う2人。

虎春が虎のために作ったドーナツは普通においしそうで、仲良さそうな兄妹の姿は見ているだけでほっこりしました。

そして龍はといえば、美久が作ったロシアンルーレットチョコを口に入れた瞬間、頭を拳銃で打ち抜かれたかのような衝撃を受けて倒れ込みます。

梅干し、椎茸、マグロなど、チョコと相性最悪な具材ばかりチョイスできる美久は、ある意味料理の才能があるのかもしれません。

ですがどれだけまずくても「頑張って嫁が作ったものだから」と食べ続ける龍。

虎と虎春の兄妹愛、龍と美久の夫婦愛が印象的なエピソードでした。

「極主夫道」12巻の総評

「極主夫道」12巻も、日常に潜んでいる「ちょっとした出来事」を「おもしろい出来事」に昇華して笑わせてくれました。

どれだけ登場キャラクターが増えても1人1人の個性が立っているので、飽きることなく楽しめます。

勢いや画力だけで笑いを狙うシーンも多いものの、それが良いスピード感を演出しているところもポイントですね。

「極主夫道」はだいたい半年スパンで単行本が出ているので、13巻の発売は来年頭頃でしょうか? 13巻の発売が今から楽しみです!

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