増田こうすけ先生によるギャグ漫画「ギャグマンガ日和」なのですが、2022年にとうとうシリーズとしては連載22年目に突入しました。
シュールな世界観は相変わらずで、今でも多くの読者を虜にしています。
そこで今回は漫画「ギャグマンガ日和」作中の名言を名シーンとともにご紹介していきたいと思います。
「変態じゃないよ。仮に変態だとしても、変態という名の紳士だよ」
これは漫画「ギャグマンガ日和」を代表する名言、名シーンと言えるでしょう。
いわゆるネットスラングにもなっており、ギャグマンガ日和を知らない方でもこのセリフだけは聞いたことがあるかもしれません。
ギャグマンガ日和の中の「名探偵うさみちゃん」シリーズに登場するクマ吉君のセリフです。
クマ吉君はまごうことなき変態で、さまざまな場所で犯行に及びます。
うさみちゃんに通報されそうになったときのセリフなのですが、まったく反省をしないクマ吉君らしさ全開の名言です。
「僕もまた○○におどらされた犠牲者の一人にすぎないんだよ」
同じくギャグマンガ日和の「名探偵うさみちゃん」シリーズからまたクマ吉君の名言です。
このセリフはシリーズの中でも何回か登場するもので、○○の部分には「くつ下」「大きい三角定規」などクマ吉君が犯行に使ったアイテムが入ります。
クマ吉君の犠牲者となるのはだいたいニャン美ちゃんなのですが、それでも自らを犠牲者とのたまうクマ吉君のメンタルの強さがよく伝わってきます。
いわゆるクマ吉君の捨て台詞なのですが、連行されるときの哀愁が何とも言えません。
ただ、何度連行されても逮捕されても次の話では釈放されているというのもシュールです。
「私の為に…あのヒキガエルの下痢のような曲を…?」
字面だけで笑えてしまうのですが、こちらは「恋のラブソングを君に」というタイトルの話で出てくるセリフです。
増田こうすけ先生と言えばあの絶妙なヘタウマな作画が魅力なのですが、その作画が70年代や80年代あたりの少女漫画チックなものになっています。
聖斗はデビューCDが第一位を獲得するものの、そのカップリング曲を聴いた麻理亜があまりのひどさに吐き気と頭痛と痙攣に見舞われて入院するというすでにおかしな展開となっています。
聖斗は麻理亜に思いを寄せており、「君の為に今…」という曲を「君の為に作ったんだぜ」と伝えるのですが、麻理亜はひどいカップリング曲のほうだと勘違いし、「私の為に…あのヒキガエルの下痢のような曲を…?」と返すのです。
本当に絶妙な表現で、何回見ても吹き出してしまいます。
「ポピーーーッ」
漫画「ギャグマンガ日和」ではお馴染みのキャラクターとなっているのが、聖徳太子です。
先のクマ吉君と並ぶ頭のおかしいキャラクターなのですが、その聖徳太子を代表するセリフが「ポピーーーッ」です。
これは小野妹子が石的なものを聖徳太子に投げつけ、それがヒットしたときの叫びです。
その後に「今日のポピー」という形でアイスランドポピーの絵に花言葉「慰め」を添えたコマが出てきます。
この一連の流れが聖徳太子の一種のギャグのようになっています。
何の遠慮もなく全力で聖徳太子にものを投げつける小野妹子も味わい深いものがあります。
「さっきまで かゆかったけど 治まった」
漫画「ギャグマンガ日和」にはあの松尾芭蕉も登場します。
聖徳太子の仕上がりを見れば、松尾芭蕉がどう描かれているのか想像もつくでしょう。
松尾芭蕉は作中でもさまざまな俳句を生み出していますが、その中でも特にひどいのが「さっきまで かゆかったけど 治まった」です。
ちなみに、この俳句を詠んだ後で弟子の曽良からとんでもないツッコミを受けています。
歴史上の偉人がとても残念なおじさんとして描かれているのですが、どこか愛おしく感じられるのが増田こうすけ先生ならではです。
「まそっぷ」
漫画「ギャグマンガ日和」の中で有名どころというのはいくつかあるのですが、そのひとつが「ソードマスターヤマト」です。
連載漫画「ソードマスターヤマト」に誤植が発覚するという話なのですが、これがもう名言連発となっています。
敵に向かうときの気合いの入った「ウオオオオオ!!」という叫びが誤植で「まそっぷ」になっているのです。
思わず口にしたくなる「まそっぷ」という響きにも中毒性があります。
ちなみに、「まそっぷ」以外にも「アイツだけは…許さない!」というセリフが「パンツだけは…許さない!」になっていたり、主人公の「オレはポテトだ!」という突然のおいも宣言に対して敵キャラが「お前はトマトか!」と返してみたりとすさまじい名言&名シーンの連続です。
増田こうすけ先生の才能が恐ろしくなります。
「やーい お前のかーちゃんJリーグ!やーーい!やあーーーーーい!」
漫画「ギャグマンガ日和」には「西遊記~旅の終わり~」という話があるのですが、これは三蔵法師がゴールを競うときに叫んだセリフです。
旅のゴールを三蔵法師、沙悟浄、孫悟空で競うことになり、本性が出たという感じなのですが、このときの三蔵法師の表情が法師とは思えないようなものになっています。
ちなみに、このセリフの後に「私のかーちゃんセリエA!わあ~~~い」というセリフもあり、ここでも増田こうすけ先生のセンスが爆発しています。
三蔵法師が本性を見せておきながらもその後でいかにも落ち着いた大人の対応でふたりを諭すかのように話すのも笑えます。
「まっぱだカーニバル!」
漫画「ギャグマンガ日和」には「終末」という話があります。
人類滅亡3時間前の特番にいろいろな人物が登場する話なのですが、その中に演歌一筋三十年の大林一郎というキャラクターが出てきます。
演歌界の大御所が全裸で登場し、その時点でやばいのですが、その後で放ったセリフが「まっぱだカーニバル!」なのです。
他のキャラクターもかなりはっちゃけているのですが、このセリフがもっともインパクトがあるかもしれません。
ついつい使いたくなる響きでもあります。
「サムライに刀で斬られた音みたいな名前しやがって!」
漫画「ギャグマンガ日和」の中では、ルノワールとセザンヌの対決も描かれています。
しょうもない意地の張り合いや嫌がらせをお互いに重ねていくのですが、その中でルノワールがセザンヌに対して言ったのが「サムライに刀で斬られた音みたいな名前しやがって!」というセリフです。
ちなみに、セザンヌはルノワールに対して「おっさんがワックスかけた床を全裸ですべる音みたいな名前しやがって!」と言っています。
どちらも笑えるのですが、言い得て妙でもあります。
「死んだ魚のような目をしたウジ虫のようなクズどもが増えています」
漫画「ギャグマンガ日和」の中でも人気のエピソード「魔法少女誕生」より妖精の国の女王のセリフです。
「今 人間の世界 とりわけ日本が荒んでいます 不況のせいか人の心がささくれて…死んだ魚のような目をしたウジ虫のようなクズどもが増えています」とかなり辛辣なことを言っているのですが、すんなりと受け入れられるのはギャグマンガ日和ならではです。
女王が「顔 こわっ」と言われて気にしている感じやこの後の森の精とラーメンの精のやり取りも地味に笑えます。